ホンドギツネは、ユーラシア大陸や北アメリカなどに広く分布するアカギツネの亜種で、国内の本州、四国、九州に分布している。 四国には生息数か少ないが、タヌキなどと共に馴染みの深い動物で、単に「キツネ」と呼ばれることが多い。 毛色はふつう赤味を帯びた黄色や褐色などで、胸や腹部は白っぽい。 尾の毛はふさふさとして長く、尾の先は黒いものも見られるが、ふつうは白い。 鼻面は細くとがり、耳は三角形で大きく、耳の後側は黒っぽい。 また、四肢はイヌに比べると短い。 平野から高地の森林や雑木林などに生息しているが、ホンドギツネは人里近くや農耕地などにも姿を見せる。 普段は縄張り内で単独で生活しているが、縄張りは尾の基部にある臭腺によって樹木などに臭いをつけることによって主張されている。 主に早朝と夕方に活動するが、性質は用心深く、人が現れるようなところではしばしば夜行性になる。 動きは敏捷で、運動能力に優れていて、泳ぎもうまい。 ネズミやノウサギ、モグラなどの小動物や、昆虫、ミミズなどを主に食べるが、果実や鳥の卵なども食べる。 また、ニワトリなどの家禽を襲ったり、農作物に被害を与えることもある。 繁殖期は地域によって差があるが、12~2月頃で、雌の妊娠期間は52日前後と言われている。 普通は1産4~5子を出産するが、多いときには10子前後を出産する。 一夫一婦で、生まれたばかりの子どもは体長9~10cm、体重は100~150g程で、毛色は黒っぽい色をしている。 巣穴は岩穴を利用したり、地面を掘ったりしてつくられるが、アナグマなどが掘った古い巣穴なども利用される。 巣穴は親子に渡って何年も使われ、次第に広くなっていき、入り口もいくつか造られる。 また、巣穴は縄張りの中に幾つか設けていて、この内の大きなものが出産や育児に使われる。 他のものは小さく、危険が迫ったときに逃げ込んだり、食糧を蓄える目的に使われる。 子どもは一月半程は哺乳され、この間は雌雄で子育てが行われるが、その後雄は離れていく。 半年ほどは親と共に暮らし、雌は9~11ヵ月で性成熟する。 外敵はツキノワグマなどが上げられるが、一番の外敵は人間で、かつては毛皮を目的とした狩猟の対象とされてきた。 しかし、近年では狩猟による影響よりも、原野や森林の開発などによって生息地が壊され、ホンドギツネの生息数は徐々に減ってきている。 また、国内にはホンドギツネのほか、北海道にキタキツネ(Vulpes vulpes schrencki)が分布しているが、ホンドギツネはこれよりも少し体が小さく、キタキツネのように四肢の先は黒くないなどの違いがあるほか、キタキツネの乳頭が6~8個であるのに対して、ホンドギツネでは8~10個と多いことから、別種とする見方も提唱されている。 イヌ科の動物へ / このページの先頭へ |
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ホンドギツネ