動物図鑑・インドホシガメ

インドホシガメ (ホシガメ) さんのプロフィール



動物図鑑・インドホシガメ

インドホシガメ (ホシガメ)

カメ目・リクガメ科
学 名 Geochelone elegans
英 名 Indian star tortoise / Star tortoise
分布域 インドやスリランカ、パキスタン南東部など
生息環境 森林や雑木林など
甲 長 20~30cm 程度
体 重 5~7kg 程度
IUCNによる保存状況評価 / 絶滅危惧種 (VU)

インドホシガメは、インドやスリランカ、パキスタン南東部などに分布している中型のリクガメで、単にホシガメと呼ばれることもある。

分布域は、インド西部のグジャラート州、ラージャスターン州、アーンドラ・プラデーシュ州とパキスタン・シンド州のタール砂漠のものと、インド南東部のカルナータカ州、ケララ州、タミル・ナードゥ州に分布するもの、そして、スリランカに分布するものと、三地域に分かれている。
この為、色や形態は地域によって差があるが、亜種はいないとされている。

インドホシガメは、マダガスカル島に分布しているホウシャガメによく似ていて、甲羅は黒く、それぞれの甲板には星型の濃い黄色や灰褐色の線があり、大変美しい。
背甲の中央板や左右の助甲板はそれぞれ盛り上がっていて、腹甲は黒色や暗褐色で、星型の線は腹甲にもある。
頭部や四肢、尾なども黒っぽく、淡い黄色や黄褐色の斑が散在している。

体は、雄よりも雌の方が大きく、雄では平均すると甲長15~20cm程度だが、雌では甲長25~30cm程になり、大きい雌では甲長38cmのものが記録されている。
また、雄の尾は雌よりも長く、雄の腹甲は凹型になっているが、雌では尾が短く、腹甲は平になっている。

インドホシガメは平野部から低い山間部などの森林や雑木林、乾燥した草原などに生息しているが、農地の周辺などでも姿が見られる。
また、低木林やサバンナ、半砂漠地帯のようなところにも生息していて、標高450m辺りまで見られる。

日中に活動するが、乾季には主に早朝や夕暮れ時に活動し、昼間の間は木立の中などで休んでいる。
甲羅の模様はうまく木立の中に紛れていて、一見して鮮やかな星型模様も、保護色の役目を果たしている。
また、雨季には日中のあいだ活発に動き回るが、 インド西部とパキスタンのものは、寒い時期には不活発になる。

草食性で、主に落下果実や木の葉、木の芽や草類などを食べるが、陸生の貝類や動物の死肉など、動物質のものも少しは食べるほか、動物の糞を食べることもある。

繁殖期は雨季(インド南部では6月中旬~11月)で、雌は交配後60~90日程の後、一度に1~10個ほどの卵を、平均2~4回ほど産卵する。
雌は地面に穴を掘って産卵するが、しばしば土を柔らかくするために排尿し、その後、後肢で深さ10~15cm程の穴を掘る。
産卵の後、卵は埋め戻されるが、地表は腹甲などで平らにされる。

卵はふつう長径3.5~5.2cm、短径2.5~4cm程の楕円形をしているが、時にほぼ丸いものもある。
また、平均した卵の重さは12~20g程だが、体の大きい雌ほど、大きい卵を産むことができる。

孵化期間は50~180日と幅があるが、多くは90~150日程で孵化する。
孵化したばかりの子どもは、甲長35mm程度、体重25~45g程度だが、卵の保温温度が28~30℃だと雄が、31~32℃だと雌が多く生まれると考えられていて、孵化期間も、温度と湿度によって左右されると考えられている。

雄は6~8年、雌は7~12年程で性成熟すると言われているが、地域や環境などによって差がある。
また、飼育下のものは、自然下のものよりも成熟するまでの期間がより短いと言われている。

自然下での寿命などは分かっていないが、飼育下では25~80年程の寿命があるだろうと言われている。
しかし、成長したものは硬くて重い甲羅によって守られているが、卵や子どもはオオカミキツネ、タカなどの猛禽類や大型のヘビやトカゲなどから襲われることが多く、成長できるものは極めて少ない。

このほか、近年の開発などによって産卵場所や生息地が減少しているほか、密猟なども加わり、生息数は減少している。
現在、国際自然保護連合(IUCN)では絶滅危惧種(VU)として指定しているが、インドホシガメは学名(elegans・優雅な)が示すように美しいカメなので密輸入や密売も後を絶たず、様々な問題が持ちあがっている。

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