動物図鑑・メガネカイマン

メガネカイマン さんのプロフィール



動物図鑑・メガネカイマン

メガネカイマン

ワニ目・アリゲーター科
学 名 Caiman crocodilus
英 名 Spectacled caiman / White caiman / Common caiman
分布域 メキシコ南部から南アメリカ北部
生息環境 低地の河川や湖沼、湿地など
全 長 雄で 1.8~2m 程度、雌で 1.2~1.4m 程度
体 重 7~40kg 程度

メガネカイマンは、新大陸では最も広く分布しているアリゲーター科のワニで、メキシコ南部からニカラグア、パナマなどを経て、アンデス山脈の東部のペルーからブラジル北部に至る、中央アメリカから南アメリカ北部にかけて広く分布している。

体色は、子どもは淡い褐色で、暗色の帯や斑があるが、成長と共に斑がなくなり、全体に灰色や、緑色を帯びた灰色や褐色のような色合いになる。
気温が低いときには黒っぽく見えるが、これは皮膚の細胞内にある黒色の色素が膨張するためだとされている。

目の間の骨が隆起していて、これが「眼鏡」をかけているように見えることから名前が付けられている。
大きいもので全長2.5m、体重58kg程に成長するが、3m程に成長するとも言われている。

低地の河川や湖沼、湿地などに生息し、河川では流れの緩やかなところで見られる。
また、メガネカイマンは適応範囲が広く、淡水域だけでなく汽水域でも見られ、時には沿岸域でも観察されている。

緩やかな群れで見られるが、ふつう、繁殖期以外は単独で生活している。
主として夜間に活動し、日中の暑いときには水の中で休んでいることが多く、体を十分に沈めることができる深さがあれば、浅いところから深いところまで見られる。

子どものうちは昆虫や甲殻類、様々な無脊椎動物などを食べるが、成長するにつれてカエルやトカゲ、魚や鳥、小型の哺乳類などを食べるようになり、より大きく成長すると、大きな哺乳類を捕らえることもある。
しかし、性質は荒いが、人を襲うようなことは滅多にないとされている。

繁殖期は5~8月で、雌雄共に複数のものと交配すると言われている。
妊娠期間は65~104日程で、雌は7~11月にかけて、10~40個程の卵を産む。

雌は、産卵の前には水辺の近くに産卵用の巣を作るが、これは直径1.8~2m、高さ1m程もある大きな塚状のもので、木の枝や落ち葉、泥などで作られる。
塚の中央に穴を掘り、産卵後、植物で巣を覆うようにするが、やがて植物は腐敗し、発酵熱が卵を温め、極端な温度変化を緩和している。

孵化がはじまると、親は巣から子どもが出ることを助けるが、生まれたばかりの子どもは全長20cm程で、生まれてくる子どもの性別は、孵卵中の卵の温度によって決まり、温度が高いと雌が多く生まれるとされている。
また、雌は巣や卵を守る習性があるが、雄も同様の習性があり、孵化後2~4ヶ月程の間は子どもの世話をする。

子どもは1年半ほどの間は親の近くで生活し、その後、独立していく。
4~7年程で全長1.2~1.4m程に成長し、この頃には性成熟する。

寿命についてはあまり知られておらず、野生下で最も寿命が長いものは60年程と推定されているが、平均すると30~40年と考えられている。
しかし、飼育下ではこれよりも短く、20年程度と言われている。
外敵はあまりいないが、子どもは大型のヘビやワニに襲われることがあり、卵は大型のトカゲなどに狙われる。

この他、メガネカイマンは次の3亜種が知られている。
Caiman crocodilus crocodilus (スリナムメガネカイマン)
ベネズエラやコロンビア、ペルー、ブラジル、ボリビアの北部と東部などに分布する基亜種
C. c. apaporiensis (アパポリスカイマン)
コロンビアのアパポリス川の上流に分布していて、生息数は激減している。
C. c. fuscus (マグダレナメガネカイマン)
中南米からコロンビア、ベネズエラ、エクアドルなどに分布し、フロリダやキューバ、プエルトリコに移入している。

また、以前は亜種とされていた C. c. yacare (パラグアイメガネカイマン)は、現在独立種・ Caiman yacare (パラグアイカイマン)として扱われている。

メガネカイマンは分布域が広いこともあって、現在のところ絶滅の恐れはないとされているが、亜種や地域によっては生息数が減少している。

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