ヨウスコウワニ さんのプロフィール |
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ヨウスコウワニは小型のワニで、中国の固有種とされている。 普段は単独で生活していて、主として夜間に活動し、主に貝類や魚類を食べる。 近年は生息数が減少していて、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは、もっとも絶滅の恐れがある絶滅危惧種(CR)に指定している。
ヨウスコウワニの分布域・生息環境 ヨウスコウワニは、名前のように、揚子江(長江)下流域に生息する小型のワニで、安徽省や江蘇省、江西省、浙江省などに分布している。 国内ではヨウスコウアリゲーター、チョウコウワニなどとも呼ばれる中国の固有種で、温帯域に生息する現存する唯一のワニとして知られている。 また、ヨウスコウワニは、アリゲーター科の中では、唯一ユーラシア大陸に分布するワニとしても知られている。 ヨウスコウワニの大きさ・特徴 ヨウスコウワニは、全長1.5m程度、体重は35kg程の小型のワニで、同じアリゲーター属のミシシッピーワニ(アメリカアリゲーター)に比べるとかなり小さい。 吻は短くて、丸みを帯びていて、脊鱗板中央の2列は他に比べて高くなっている。 また、四肢の爪は鋭いが、前肢に水かきはなく、後肢に発達していない水掻きがあるのが特徴になっている。 体色は黒褐色や灰褐色のような色をしていて、子どもや若いものでは、黄褐色に黒い不規則な斑があるが、成長と共に不明瞭になる。 腹側は淡い褐色で白っぽく、大きいものは全長2.1m、体重45kg程に成長するが、普通はこれほどの大きさにはならない。 ヨウスコウワニの生態・生活 ヨウスコウワニは淡水性のワニで、低地の湖沼や河川、池や湿地帯などに生息していて、普段は単独で生活している。 主として夜間に活動し、貝類や魚類を主に食べるが、時に水鳥や小型の哺乳類なども食べる。 また、カメも食べるとも言われているほか、子どもは無脊椎動物や水生昆虫などを主に食べる。 しかし、性質はおとなしく、人を襲うようなことはない。 ヨウスコウワニは、10月下旬から翌年の4月中旬頃にかけての気温が下がる時期には、川底や川岸などに穴を掘って冬眠する。 巣穴は複雑なもので、複数のものを収容することができるようになっていて、ふつうは10~25m程の長さがある。 春になって巣穴から出てくると、自らの体温を上げるため、十分に太陽の光を浴び、やがて夜行性の生活に戻っていく。 外敵は、大型の魚や猛禽類などで、主に子どもや卵が狙われるが、時に薬用や皮を目的とした密猟も行われている。 しかし、皮下には皮骨が発達しているので加工が難しく、皮はあまり利用されることはない。 ヨウスコウワニの繁殖・寿命 ヨウスコウワニの繁殖期は6月頃で、繁殖は一夫多妻で行われる。 産卵は7月中頃で、雌は自分の巣の近くに産卵用の巣をつくる。 産卵用の巣は泥や植物などを使って塚状のものがつくられ、雌は一度に10~40個程の卵を産み、卵は植物などによって覆われる。 卵は70日程で孵化するが、その間、雌は巣を守る習性がある。 孵化がはじまると、雌は子どもの鳴き声に呼応して巣を覆う植物などを取り除き、子どもを水場へと連れて行くが、この時、雌は孵化を助ける為、ニシアフリカコビトワニなどのように、口内で軽く卵殻を噛み割って、孵化を助けるとも考えられている。 孵化したばかりの子どもの体重は30g、全長は21cm程度で、最初の冬を母親と過ごす。 また、生まれる子どもの性別は孵卵中の卵の温度によって左右され、温度が低いと雌が多く、温度が高いと雄が多く発生するとされている。 この温度差は、巣を覆う植物の量や、巣の中でどの深さに埋まっていたかなどによって生じてくる。 雌雄共に5~7年程で性成熟し、寿命は、野生下で50年、飼育下では70年程度と言われているが、平均するとこれよりは短く、20~40年と考えられている。 ヨウスコウワニの保護状況・その他 ヨウスコウワニは、古くは中国に広く分布していて、朝鮮半島にも生息していたとも言われている。 しかし、水田や耕作地の拡大などに伴なう生息地の減少に加え、貝類を探して水田に入り込だり、家禽を襲うことなどから害獣として駆除され、一時は絶滅寸前の状態まで追い込まれている。 その後、1960年代から中国政府による保護活動が行われ、飼育下での繁殖も行われて全体の個体数は増加したが、野生下のものは、現在も食用や薬用を目的とした密猟が行われているほか、農薬などによる環境汚染も懸念されたままになっている。 現在、ヨウスコウワニは国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで、もっとも絶滅の恐れがある絶滅危惧種(CR)に指定されているが、河川の改修や開発などによる、更なる生息地の減少などが心配されている。 尚、国内でも、大分県安心院盆地の鮮新世の地層からヨウスコウワニの化石が発見されている。 |
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