イロワケイルカは体長が1.5m程度のイルカの仲間で、鯨目としては、スナメリなど共に最小のグループに属している。 主に南アメリカ南端のフエゴ島周辺やフォークランド諸島周辺の海域に生息しているが、インド洋南部のケルゲレン諸島周辺の海域にも分布している。 体の模様はかなり特徴的で、頭部、胸びれ、背びれ、尾びれは黒く、喉と胴の大部分は白い。 黒白2色の境界は非常にはっきりしていて、一見してジャイアントパンダに似ているため、パンダイルカとも呼ばれている。 背びれは、頭側は直線的で、尾側は凹型をしているが鎌のような形でなく、尾びれの中央には切れ込みが見られる。 口吻はほとんどなく、体の感じはネズミイルカに似ているが、イロワケイルカの習性などは他のマイルカ科のイルカに似ているとされている。 また、イロワケイルカの雌雄は腹部にある黒い模様の違いから識別することができるとされていて、雄の模様は細長い涙滴形をしているが、雌はそれよりも丸い形をしている。 イロワケイルカは水深200m位までの沿岸域に生息し、単独や3頭程の小さな群れで見られるが、時には100頭程の大きな群れも観察されている。 海岸線や港湾、河口沿いの浅い海域で見られ、イワシなどの魚やアミエビ、イカやタコなどを食べるが、甲殻類やホヤ、藻類なども食べる。 動きは活発で、海面を高速で泳いだり、ジャンプしたりする様子が頻繁に見られる。 また、海岸の近くでは、波乗りをするかのような回転などの行動も見られるほか、好奇心が強く、高速で移動する船を追いかけたりもする。 繁殖期9~2月月頃で、妊娠期間10~12ヵ月程で、ふつうは1産1子を出産する。 生まれたばかりの子どもは体長50~75cm程で、4.5~7.3kg程の体重がある。 野生での授乳期間は分かっていないが、飼育下では、生後2ヵ月程で固形食を食べはじめ、4ヵ月頃には魚を獲るようになる。 雌は5~8年、雄は6~9年程で性成熟し、飼育下での寿命は25年を超えたものが知られているが、平均すると18年程度と考えられている。 また、野生での寿命はこれよりは短く、10~15年程度と言われている。 天敵はシャチや大型のサメ類とされているが、野生での生息数などはよく分かっていない。 イロワケイルカは知能も高い動物とされているが、現在のところ、国際自然保護連合 (IUCN) のレッドリストでは「情報不足」とされている。 鯨目の動物へ / このページの先頭へ |
Private Zoo Gardenは、国内の動物園で会える動物たちを紹介している、インターネット動物園です。 今後とも園内の充実を図っていく予定ですので、動物図鑑や写真集などとして、是非利用してください。 |
このページの先頭へ |
イロワケイルカ (パンダイルカ)