アカテタマリンはブラジル北部からガイアナ、仏領ギアナ、スリナム、ベネズエラなどのアマゾン川領域の森林地帯に生息している小型のサルで、以前はほかのタマリン属と共にキヌザル科(マーモセット科)に属していたが、現在はオマキザル科として扱われている。 全身は黒くて長い毛で覆われていて、名前の通り、四肢の先だけが鮮やかなオレンジ色になっていてよく目立つ。 耳は大きく、四肢の爪は鉤のように鋭い。 また、尾は体よりも長く、木の枝などに巻きつけることができる。 低地の湿潤な熱帯多雨林に生息していて、雌雄のペアとその子どもからなる家族単位の群れをつくって生活している。 群れはふつう6頭前後が多いが、4~15頭ほどの幅がある。 一日のほとんどを樹の上で過ごし、行動範囲は0.1k㎡程と言われている。 縄張りは、生殖器の周囲にある特殊な臭いを出す臭腺からの分泌物を木につけて主張される。 樹上での動きはかなり敏捷で、枝から枝へと機敏に動き回る。 跳躍力には優れていて、アカテタマリンは18m程の高さから地上に飛び降りることもできると言われている。 ムネアカタマリンやワタボウシタマリンなど、他のタマリン属と同様、主に果実や花、樹液などを食べるが、バッタなどの昆虫類やトカゲ、クモ、カエルなどのほか、鳥の卵などの動物質を食べることも同じである。 繁殖はふつう一妻多夫とされているが、一夫一婦や一夫多妻なども観察されている。 繁殖期は4~7月頃で、妊娠期間140~170日程で、1産1~3子、普通は2子を出産するが、稀に3子を出産することがある。 生まれたばかりの子どもの体重は45g程で、生後4~7週で固形物を食べるようになる。 4~6ヶ月頃には完全に離乳し、雌雄共に16~20ヵ月程で性成熟する。 また、タマリン属は雌のほうが優位に立つ社会形成で、雄が雌に従うことが多いが、子育ては群れが共同で行う。 寿命は野生下で10年程度、飼育下では20年を超えたものも知られているが、平均すると15年程と考えられている。 この他、アカテタマリンは樹上で生活している為、ネコ科などの肉食の動物よりも猛禽類やヘビなどに襲われることの方が多い。 また、現在のところ絶滅の恐れはないとされているが、近年は生息地の開発や破壊などの危機にさらされている。 尚、アカテタマリンを含むタマリン属はオマキザル科に分類されているが、現在も独立したキヌザル科としての支持も多く、キヌザル科として分類されることもある。 オマキザル科の動物へ / このページの先頭へ |
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アカテタマリン