ムネアカタマリンはブラジル西部やボリビア北部、ペルー東部などのアマゾン川上流域に分布している小型のサルで、以前はコモンマーモセットなど共に、独立したキヌザル科として扱われていた。 耳は大きく、体色は黒色や黒褐色などで、胸から腹にかけては鮮やかなオレンジ色をしている。 後足は前足よりも少し長く、尾は体長と同じくらい長い。 体は雌の方が雄よりもわずかに大きく、口のまわりが白いことからシロクチタマリンとも呼ばれ、背面は黒と銀色の毛が入り混じっている。 ムネアカタマリンは水辺に近い熱帯雨林に生息し、樹木の中層辺りで、ふつう4~6頭程の群れをつくって生活している。 群れの数は13頭程のものも見られるが、群れはいずれも雌雄とその家族から形成されている。 ほかのタマリン属と同様、樹上では敏捷でに動きまわり、主にブドウなどの果実を食べる。 このほか樹液や昆虫なども食べるが、特にクワ科の果実を好むとも言われている。 行動範囲は0.15~0.23k㎡程度とされているが、行動範囲は群れのサイズや季節などによって変化する。 ムネアカタマリンはこの範囲の一部を毎日菜食などに使っているが、一部はほかの群れと重複していることもある。 普通は一妻多夫などとされているが、一夫一婦とも考えられている。 繁殖期は3~6月頃で、出産は8月下旬から12月初旬頃に見られる。 群れの中でいちばん順位の高い雌だけが出産するとされていて、妊娠期間150~170日程で、1産1~2子、普通は2子を出産する。 生まれたばかりの子どもの体重は40g程で、生後5週間くらいから固形物を食べはじめ、16週程で離乳する。 また、育児は雌雄を含め、群れの仲間が協力して行われる。 雌雄共に2~4年で性成熟し、野生での寿命は詳しく知られていないが、歯の磨耗から8年以上は生きると言われている。 具体的な捕食動物などは知られていないが、オセロットなどのほか、樹上生活していることからフクロウ等の猛禽類や大型のヘビなどに襲われることがあると考えられている。 現在のところは絶滅の危惧はされていないが、ムネアカタマリンはアカテタマリン、ワタボウシタマリンなどと同じく、生息地である森林の破壊などによって生息数の減少が懸念されている。 尚、ムネアカタマリンを含むタマリン属はオマキザル科に分類されているが、現在も独立したキヌザル科として分類する声も多く、キヌザル科として分類されることもある。 オマキザル科の動物へ / このページの先頭へ |
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ムネアカタマリン (シロクチタマリン)