マーモセットはオマキザル科に属している小型の新世界ザルの総称で、普通はその中のマーモセット属を指していることが多い。 学名の Callithrix はギリシア語で「美しい毛」の意味で、キヌザルと呼ばれることもある。 また、尾は長いが物に巻きつけることはできず、爪は、後肢の親指を除いて、すべて鉤爪をしている。 コモンマーモセットはブラジル東部の熱帯林に生息していて、毛は密生している。 毛色は灰黒色や灰褐色で、背面や四肢の外側には灰色の筋が見られる。 体は僅かにリス程度の大きさで、顔の周りは黒く、額には白い毛が生えている。 また、耳は大きいが周りは長い毛で覆われ、前からは全く見えないという特徴的な顔をしている。 一見するとクロミミマーモセットとはよく似ているが、クロミミマーモセットの耳の房毛が黒色なのに対して、コモンマーモセットの房毛は白色をしている。 尾は体長よりも長く、白と黒の輪が見られるが、コモンマーモセットはもっぱら樹上生活をしているので、この長い尾がバランスをとるなどに役立っている。 また、後肢は前肢より短く、樹木の間を跳びはねるように移動する。 四肢には共に5本の指があるが、親指は人のように向かい合っておらず、他の指と同じ向きになっている。 また、後肢の親指の爪は平爪だが、その他は鉤爪になっている。 乾燥した熱帯林や二次林を好み、3~12頭程の家族単位で生活している。 動きは敏捷で、リスのように枝から枝へとすばやく移動する。 昼間に行動し、樹液や果実、昆虫のほか、小鳥や小鳥の卵、クモやトカゲなどを捕らえ、夜は木の洞や物陰で休む。 なき声はかん高いものから、小鳥のさえずりのようなものまで、様々ななき声をたてる。 コモンマーモセットは、その体の大きさから別名をポケットモンキーと呼ばれ、性質はおだやかである。 しかし、無理に捕まえようとしたりすると、引っかいたり、噛み付くことがある。 また、嗅覚、聴覚、視覚ともに優れているので、急に驚かしたりすると、パニック状態になることが多い。 決まった繁殖期は見られないが、ブラジルでの出産は10月下旬~11月と3月下旬~4月に多いとされている。 妊娠期間は140~150日程で、ふつうは1産2子を出産するが、稀に3~4子を出産する。 生まれたばかりの子どもの体重は20~30g程で、授乳のとき以外は雄が子どもを抱くなどして育児を行う習性がある。 子どもには3~4ヵ月程の授乳期間があり、12~14ヶ月程で独立するが、この頃には雌雄共に性成熟すると考えられている。 また、繁殖形態は一夫一婦と考えられていたが、コモンマーモセットは一婦多夫であることが知られている。 寿命は野生下では10年程度、飼育下は10~15年程度と考えられているが、飼育下では22年を超えたものが記録されている。 現在のところは絶滅の恐れはないとされているが、農地開発の為の森林伐採などにより、生息地は減少している。 また、人以外の外敵はフクロウやタカなどの猛禽類、大型のヘビなどが挙げられる。 このほか、コモンマーモセットを含むマーモセット属はオマキザル科に分類されているが、以前はアカテタマリンなどのタマリン属と共に、独立したキヌザル科(マーモセット科)として扱われていた。 現在もその支持は多く、キヌザル科として分類されることもある。 オマキザル科の動物へ / このページの先頭へ |
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コモンマーモセット (ポケットモンキー)