エンペラータマリンはペルー南東部やボリビア北西部、ブラジル北西部などのアマゾンの熱帯林や二次林などに分布しているオマキザル科のサルで、体の大きさは小さなリス程度しかない。 毛色は灰色や濃い茶色のような色をしているが、雌雄共に、口には特徴的な白くて長いヒゲが生えている。 このヒゲの様子が、かつてのドイツ皇帝ヴィルヘルム2世に似ていることから名前が付けられているが、このヒゲの長さは10cm近くもあり、正面から見ると肩幅を超えている。 また、尾も体長よりも長く、足の親指が平爪をしている他は、すべてかぎ爪になっている。 ふつうは2~8頭程度の家族単位の群れで生活しているが、多い時には15頭ほどの群れも見られる。 昼間に活動し、ほとんど樹上生活をしているが、鋭い爪を使って、樹木を垂直に移動することもできる。 行動範囲は0.3~0.4k㎡程度と考えられていて、主に果実や樹液、昆虫などを食べるが、トカゲやカエル、鳥の卵なども食べる。 他のタマリンと行動範囲が隣接していることもあるが、そのような時は、互いに鳴き声などでその範囲を主張している。 妊娠期間は140~145日程で、1産1~2子、稀に3子を出産する。 生まれたばかりの子どもの体重は35g程度で、出産のほとんどは食料の豊富な雨季の間に見られる。 また、エンペラータマリンは一夫一婦と言われているが、支配的な雌は複数の雄と交配することも観察されている。 育児には雄も参加し、子どもは6~7週間の間は親の背中に乗って移動したりする。 授乳期間は2~3ヶ月で、雌雄共に16~20ヵ月程で性成熟する。 外敵は大型のヘビや猛禽類などで、寿命は10年程度と言われているが、飼育下ではこれよりも長く、17~20年程の寿命をもつと言われている。 この他、エンペラータマリンには次の2亜種が確認されている。
尚、エンペラータマリンを含むタマリン属はオマキザル科に分類されているが、以前はアカテタマリンなどと共に、独立したキヌザル科(マーモセット科)として扱われていた。 現在もその支持は多く、キヌザル科として分類されることもある。 オマキザル科の動物へ / このページの先頭へ |
Private Zoo Gardenは、国内の動物園で会える動物たちを紹介している、インターネット動物園です。 今後とも園内の充実を図っていく予定ですので、動物図鑑や写真集などとして、是非利用してください。 |
このページの先頭へ |
エンペラータマリン