リスザルの仲間は本種(コモンリスザル)をはじめボリビアリスザルなど、中米から南米のコロンビア、ブラジル、ボリビアなどに広く分布しているが、コモンリスザルはアマゾン盆地を中心にしたブラジル、コロンビア、エクアドル、ベネズエラ辺りに分布している。 リスザルの中ではもっとも普通に見られ、単にリスザルという場合は本種を指していることが多い。 体毛は短く、毛色は黄褐色や黄色を帯びたオリーブ色などで、腹部は淡い色をしている。 タマリンやマーモセットなどの仲間を除くとオマキザルの中では最も体が小さく、体の大きさや体色などがリスに似ていることから、名前が付けられている。 全体にほっそりとした体つきをしているが、体に比べて頭部は大きい。 尾は体長よりも長くて、先は黒い。 また、耳は大きく、目のまわりは白っぽいが口のまわりは黒く、愛敬のある顔をした動物である。 熱帯雨林の森林地帯に生息し、マングローブの生える湿地帯や川沿いの森林など、水辺に近い環境を好む。 昼間に活動し、朝夕の涼しい時間帯には特に活発に動きまわるが、日中でもよく動き回っている。 リスザルは大きな群れをつくって樹上生活をしているが、群れは2~5頭程度の雄とその家族などから構成され、普通は数十頭程で生活している。 群れは広い行動範囲をもち、その広さは0.15~1.3k㎡程度と言われている。 リスザルはその中を移動しながら採食をしているが、群れ同士は互いを避ける傾向にあって、群れ同士の縄張り争いなどは見られない。 また、食べ物が豊富であるようなところでは、群れ同士が集まって、時には100~300頭の数になることもある。 樹上では中間層に多く見られるが、樹冠辺りにも見られる。 時には地上にも降りてくるが、地上での移動は四足歩行を行い、跳んだり跳ねたりするようなことはない。 動きはとても敏捷で、樹上でも飛び上がって、飛んでいる昆虫を捕らえることもできる。 長い尾はバランスをとる役目をしているが、ものに巻きつけたりはできない。 しかし、四肢には5本の指があり、爪はすべての指が平爪で、後肢で木の枝をつかむこともできる。 雑食性で、果実や木の実などを主に食べるが、昆虫やカエル、小鳥のひななどの動物質もかなり食べる。 外敵はオセロットなどが考えられるが、普段は鳴き声はほとんど出さないが、危険が迫ると大きな声を上げて、仲間に警告する。 また、リスザルの仲間は樹上生活をしているため、ワシやタカ、フクロウなどの猛禽類に襲われることが多い。 リスザルが広く知られるようになったのは、アメリカが1958年に打ち上げた人工衛星に乗せ、最初に宇宙に行ったことによるが( 残念ながらカプセルは大西洋に墜落している)、リスザルは医学の実験動物としても利用される。 また、リスザルは可愛らしくて性質もおだやかなので、動物園でも人気者だが、群居性がかなり強く、1頭だけにすると、寂しさで死んでしまうと言われている。 繁殖は9月から11月頃の乾季に行われ、食べ物の多い雨季に出産が見られる。 妊娠期間は160~170日程度で、普通は1産1子、稀に2子を出産する。 生まれたばかりの子どもの体重は70~150g、平均100g程で、雌が育児を行い、雄は育児に参加しない。 子どもは生後間もなく母親の背中に乗ることが出来るようになり、母親は移動するときなどは子どもを背中に乗せて、そのまま樹間を跳ぶこともある。 生後1年程で独立し、雌は2年半、雄は4年程で性成熟し、野生での寿命は15年程度。 飼育下では20年を超えるが、中には30年を生きたものも知られると言われている。 オマキザル科の動物へ / このページの先頭へ |
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コモンリスザル (リスザル)