ブラッザグエノン( ゲノン) は、エチオピアからスーダン、中央アフリカ共和国、カメルーンなどの他、アンゴラやコンゴ、ガボンなどに分布しているオナガザル科のサルで、「世界で最も美しいサルのひとつ」とも言われている。 額にあるオレンジ色の三日月状の毛が特徴的で、鼻の下からのどにかけては長くて特徴的な白いひげがある。 全身は短い毛が密生していて、背部はオリーブグレー、腹部は黒っぽく、全体にずんぐりとした感じがする。 尾は太くて長く、太ももには白い筋が見られるほか、体は雄の方が少し大きい。 また、雌雄共にニホンザルのように頬袋があり、食べ物を一時の間蓄えておくことができる。 ブラッザグエノンは森林地帯に生息しているが、河川の近くや沼のある湿地帯などに多く見られ、小さな群れで半樹上性の生活をしている。 群れは雌雄とその子どもからなる4~10頭程度の家族群からなっているが、時には40頭近くが集まることもある。 昼間に活動し、早朝と夕方には特に活発に活動する。 主に果実を食べるが、種子や花、キノコなどの植物質の他、雑食性で、バッタやコオロギなどの昆虫や爬虫類なども食べる。 樹上での動きは敏捷だが、移動するときは樹間ではなく、地上を移動し、ヒョウなどの外敵が迫った場合などはサル類の多くは樹上に逃げ上がるが、ブラッザグエノンは逆に地上に駆け降りて、尾を高くあげて、イヌのような格好で走り去るとも言われている。 また、泳ぎも巧みな動物で、追われると水の中に逃げ込んだりすることもある。 詳しい繁殖時期などは知られていないが、赤道熱帯雨林では2~3月にかけて見られると言われている。 また、おそらく一夫多妻であるとも考えられていて、妊娠期間5~6ヵ月程で、1産1子、稀に2子を出産する。 子どもは生後2ヵ月頃から固形食を食べはじめ、1年程で離乳する。 雌雄共に5~6年で性成熟し、寿命は分かっていないが、オナガザルの仲間が飼育下では30年以上の 寿命をもっていることから、同程度と考えられているほか、野生下で22年の寿命をもつとも言われている。 外敵はヒョウや大型のヘビ、ワシなどの大型の猛禽類のほか、チンパンジーに襲われることもある。 現在のところ絶滅の恐れはないとされているが、地域によっては肉を目的とした狩猟も行われているほか、近年の森林開発などによって生息域が分断されたり減少したりしている。 尚、ブラッザグエノンの名前は、19世紀後半のイタリアの探検家、サボルニアン・ド・ブラッザ(Savorgnan di Brazza)の名前からつけられたと言われている。 オナガザル科の動物へ / このページの先頭へ |
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ブラッザグエノン(ブラッザモンキー)