ショウハナジログエノン(ゲノン)は、西アフリカのベニンからトーゴ、ガーナ、コートジボワール、リベリア、シエラレオネなどに分布しているオナガザル科のサルで、ギニアからセネガルにかけても分布しているとも言われている。 体は雄の方が大きいが、雌雄共に全体にほっそりとした感じで、体色は茶褐色で、背面は緑がかっている。 顔は黒色か黒色に近い濃い灰色で、鼻には特徴的な白い斑点がある。 喉や腹面などは白く、四肢の内側も白いが、顎下から喉元に見られる白い毛は長くてフサフサとしている。 耳の周りにも白いふさ毛があり、尾の先端部は赤褐色をしている。 この尾は体長と同じくらい長く、樹上でのバランスを取るのに役立っていて、木の間を巧みに移動する。 また、頬にはニホンザルのように頬袋があり、食べ物を一時の間蓄えたり運んだりすることが出来る。 ショウハナジログエノンは一度見ただけで記憶に残る特徴的な顔をしているが、鼻に見られる白い斑や、あごひげのように見える白い毛は、仲間同士の視覚的なコミュニケーションをとる役目を果たしていると考えられている。 主に河川がある湿地帯や沼地などの雨林地帯に生息し、ふつうは15~20頭程の群れをつくって生活している。 この群れは、1頭の雄を中心に、複数の雌とその子どもたちからなっているが、時には群れ同士が集まって50頭程の大きさになることもあるほか、野生状態では他のグエノン (ゲノン) の仲間と群れをつくったりすることも見られる。 昼間に行動し、木の上を活発に動いて、主に果実や木の葉などを食べるが、昆虫などの動物質も食べる。 ほとんどの時間を木の上で生活する樹上性の動物で、水を飲んだりするときなどのほかには、あまり地上に降りてくることはないが、地上でトウモロコシやカカオなどの農作物を荒らすことも知られている。 ショウハナジログエノンの社会は一夫多妻と考えられているが、野生での詳しい繁殖状況などは分かっていない。 妊娠期間は165~170日程度(或いは150~213日程と幅があるとも言われている)とされていて、ふつうは1産1子を出産する。 生まれたばかりの子どもの体重は230g程度で、雄は最大で6kg、雌は4kgほどに成長する。 飼育下での寿命は29年が記録されているが、25年程度と考えられている。 この他、ショウハナジログエノンは樹上生活している為、主な外敵はヒョウなどの肉食の哺乳類などよりもワシなどの猛禽類に襲われることが多い。 また、ショウハナジログエノンには、 ・Cercopithecus petaurista petaurista (リベリアからセネガル辺りに分布) ・C. p. buettikoferi (バッティコファーグエノン / コートジボワールからベニン辺りに分布) の2亜種が確認されている。 現在のところ、いずれの亜種も絶滅の恐れはないとされているが、森林の開発などによる、生息地の減少が心配されている。 オナガザル科の動物へ / このページの先頭へ |
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ショウハナジログエノン(ゲノン)