タラポアンはカメルーンやガボン、赤道ギニア、コンゴ共和国西部、コンゴ民主共和国西南部、アンゴラ北部などの西アフリカに分布しているオナガザル科のサルで、旧世界ザルの中ではもっとも体が小さく、別名・コビトグエノンとも呼ばれている。 体はリスザルよりは大きいが、リスザルと同様、頭部は丸くて大きく、目も大きい。 毛色は緑がかった黄色や緑色を帯びたような灰色、黒色などで、腹面は白色や灰色がかった白色をしている。 尾は体長よりも長く、上面は灰色や茶色がかった黒色で、下面は黄色っぽい灰色をしている。 また、ニホンザルと同じように頬袋をもっていて、食べ物を一時の間蓄えておくことができる。 主に低地の森林地帯に生息しているが、湿地林や二次林などを含む様々な森林に適応している。 しかし、川や沼などの水辺に多く、タラポアンは水源から遠く離れたところでは見られない。 また、海岸に近いマングローブの林にも多く見られることから、マングローブモンキーとも呼ばれることもある。 昼間に活動し、70~100頭程の大きな群れで生活しているが、群れの中では雄よりも雌の数の方が多い。 採食に出かける時はいつくかのグループに分かれるが、夜には再び集まって、水辺近くの樹上で休む。 また、採食は同性のグループで行われ、夜間は母親と子どもは一緒に休んでいる。 比較的小さな行動範囲をもっているが、他のグエノンのように縄張りはもっていない。 樹上にいることが多いが、地上で採食することも多く、主に果実や木の葉、種子などのほか、昆虫や鳥の卵、トカゲなどを食べる。 また、タラポアンは泳ぎもうまく、水生植物も食べるほか、耕作地の近くに生息しているものは、時に農作物を荒らすこともある。 繁殖期は5~9月頃で、妊娠期間158~166日程で、ふつうは1産1子を出産する。 生まれたばかりの子どもの体重は200g以上もあり、母親に比べてかなり大きい。 成長は早く、6週間程の授乳期間の後、3ヵ月程で独立する。 その後半年ほどで他の若い雄のグループに加わるようになり、雄は1~2年、雌は4~5年程で性成熟する。 外敵はヒョウや大型のヘビなどで、野生での寿命は分かっていないが、飼育下では28年の記録が知られている。 尚、タラポアンは次の2亜種が知られている。 ・アンゴラタラポアン (Angolan talapoin / Miopithecus talapoin) コンゴ民主共和国の西南部からアンゴラ北西部 ・ガボンタラポアン (Gabon talapoin・Northern talapoin / Miopithecus ogouensis) カメルーン南部や赤道ギニア、ガボン西部 、コンゴ共和国西部、アンゴラ北部など また、タラポアンは現在のところ絶滅の恐れはないとされているが、近年の森林開発などによって生息地は減少している。 オナガザル科の動物へ / このページの先頭へ |
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タラポアン