ハナジロハナグマはアメリカ合衆国のアリゾナ州南東部、ニューメキシコ州、テキサス州の南部からメキシコ、パナマを経て、南米のコロンビアやエクアドルの北東部にまで分布している。 ハナグマの仲間は一見してアナグマに似た感じもするが、ハナグマはアライグマ科に属する動物で、アナグマはイタチ科に属している。 ハナジロハナグマはアカハナグマ(単にハナグマとも呼ぶ)に似ていて、尾はかなり長く、体の半分かそれ以上もある。 また、尾の先は細くなっていて全体にリング状の模様が見られる。 雄の方が体が大きく、体色は灰褐色や褐色、茶色や茶褐色などさまざまなものが見られる。 耳は小さく、鼻面は長く突き出ていて、よく動かすことができる事などもハナグマ(アカハナグマ)と同じで、四肢の先が黒っぽいのも同じである。 ハナグマとの違いは、その名前のように鼻先が白っぽいのが特徴で、ハナグマに比べて体もやや大きい。 小さい雌では体重2.5kg程度であるが、大きい雄では体重が12kg程になるものも見られる。 生息環境や習性などもハナグマと同じで、主に森林地帯や雑木林などに生息しているが、サバンナや半砂漠地帯にも生息している。 垂直方向の生息域も広くて、海岸近くから標高3000m近くまで姿を見せる。 四肢には五本の指があって、木登りは大変うまく、垂直に立っている木でも簡単に登ってしまう。 木の上では長い尾でうまくバランスを取って、樹上でも地上と同じくらい活発に動きまわる。 しかし、木登りはうまいが採食は地上で行う方が多く、主に昆虫やトカゲなどの爬虫類、鳥やその卵などの動物質を食べるほか、果実なども食べる。 前足の爪は長くて鋭く、地面の中の小動物などを掘り出すのに役立っている。 昼夜共に活動するが、どちらかといえば昼行性で、普段は雌と子どもからなる数頭から40頭ほどの群れで生活し、成獣の雄は単独で生活している。 繁殖期は1~3月頃で、妊娠期間78日前後で、1産2~6子、平均して4子を出産する。 ハナグマと同様、雌は出産の3~4週間前には群れを離れ、樹洞や岩穴などに巣をつくり、群れとは離れたところで出産する。 生まれたばかりの子どもの体重は100~180g程度で、生後10日を過ぎる頃には目が開く。 数週間ほどは群れと離れたところで育てられるが、その後は母親と共に群れの中に入っていく。 離乳期間は4ヵ月程で、雌は2年、雄は3年程で性成熟する。 寿命はアカハナグマと同じ程度と言われているが、飼育下では17年を超えたものが知られている。 外敵はジャガーなどのほか、猛禽類やボアなどの大型のヘビに襲われることがある。 また、ハナグマは体色の変化が多く、幾つかの種に分けることもあるが、本種をハナグマ(アカハナグマ)の亜種とする場合もある。 現在のところ絶滅の危惧はないとされているが、地域によっては肉を目的として捕獲されたりしている。 アライグマ科の動物へ / このページの先頭へ |
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ハナジロハナグマ