カリフォルニアアシカは各地の動物園や水族館でもよく見かけられるアシカで、ふつうアシカと言えばカリフォルニアアシカのことを指している。 アラスカ南東部からメキシコの中央部辺りにかけて分布し、普通は海岸線に沿って生息しているが、北太平洋沿岸では河川でも発見されている。 また、桟橋や橋脚、ブイや石油プラットフォームなど、人が造った人工構造物の周辺に集まる傾向があるとされている。 体はトドやオタリアのように水中を泳ぐのに適した紡錘形をしている。 耳や尾は短く、下毛はなく体毛も極めて短い。 毛色は雄は黒褐色や暗褐色で、雌はやや明るく黄褐色などをしている。 のどと胸は濃く、四肢は黒色に近くて、成熟した雄の首の毛はやや長くてたてがみ状をしている。 また、雌よりも雄の方が体が大きく、成長したカリフォルニアアシカの雄は額がこぶのように盛り上がってくる。 四肢にはそれぞれ5本の指があるが、いずれも厚い水かきでつながっていて、魚のひれのようになっている。 また、尾はきわめて短く、後足の間に隠れるようになっている。 地上では這うようにして移動するが、アシカ類はアザラシ類とは違って前足と後ろ足で体を支えて腹部を地面から離して歩くので、カリフォルニアアシカは地上でも意外と速く動くことができる。 また、移動する距離も遠くまで移動することが出来る。 泳ぐ時には体を上下に運動させるだけではなく、前足を巧みに使って自由に泳ぎまわることができる。 ふつうは水面に頭を出して泳いでいるが、急ぐときには潜水し、水中では25~30km/h程の速さで泳ぐことができる。 潜水能力にも優れ、水に潜るときには鼻の穴を閉じることができ、長ければおよそ15分程も潜っていることができるほか、潜水深度は270~300mに達すると言われている。 主に魚類を食べるが、軟体動物や時には貝類なども食べ、特にイカを好むとも言われている。 餌が豊富でないところでは小さな群れや単独になる傾向があり、豊富なところでは大きな群れをつくる傾向が見られる。 また、餌となる魚が安定して得られるような河川では、その河口に集まることも知られていて、サケなどの遡上に合わせても、多くが集まってくる。 カリフォルニアアシカは注意深い性質で、岩の上で休んでいるときも、見張りのものがまわりを警戒している。 しかし、飼育下ではよく馴れ、利口で物覚えもよいため、動物園などでも人気がある。 一度覚えた芸などは忘れることがなく、一度中止した後、5年を経た後でも同じ芸を演じたことが知られている。 自然下では河川でも見られるが、淡水での飼育は目に疾患を起こすものが多く、目が白濁するとされている。 繁殖地はアメリカ合衆国のカリフォルニア州南部辺りからカリフォルニア湾を含むカリフォルニア半島にかけてで、繁殖は5~8月にかけて見られる。 繁殖の多くは7月上旬頃に見られ、一夫多妻で、この時期の雄は5~20頭程度の雌とハーレムを形成する。 妊娠期間は11~12ヵ月程あるが、受精卵の遅延着床があるため、実際には9ヶ月程度と言われている。 雌はふつう1産1子を出産し、生まれたばかりの子どもは全長50~75cm程度、体重は5~6kg程で、歯はすでに生えている。 育児は雌が行い、子どもは生後二週間ぐらいで、どうにか浅瀬を泳げるようになる。 この頃には、親が獲物を獲りに行っている間、子ども同士が集まってグループを作るようになる。 母親は、戻ってくると鳴き声を挙げて子どもを呼ぶが、子どもは、自分の親の声をよく聞き分けることができる。 授乳期間は6~12ヶ月と幅があるが、雌雄共に4~5年程で性成熟する。 また、毎年9月頃には繁殖地をはなれて回遊に出るが、オットセイのように大きな回遊をすることはない。 外敵はシャチやホオジロザメなどで、野生での寿命は長いもので17年、飼育下は30年を超すものが知られている。 かつては様々な目的で乱獲され、生息数は著しく減少したが、現在は絶滅の恐れはなく、生息数も安定していると言われている。 尚、日本海の竹島付近にもかつてはカリフォルニアアシカの亜種とされるニホンアシカが生息していたが、近年絶滅したと考えられている。 アシカ科の動物へ / このページの先頭へ |
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カリフォルニアアシカ (アシカ)