コヨーテは極地を省く北アメリカ大陸からパナマの西部辺りまで広く分布し、主に森林や開けた草原、茂みが点在するところなどに生息しているが、湿地や砂丘、タイガなど、コヨーテは様々な環境に適応していて、郊外の農耕地や都市周辺にも姿を現す。 毛色は一般に褐色だが、灰色がかったものや黄色っぽいもの、また黒っぽいものなど変化がある。 下毛が多く、寒い地域に生息しているものはかなり毛深い。 腹部は白っぽく、尾は太くてふさふさと毛が生えていて、先は黒い。 また、コヨーテは一見するとオオカミに似ているが、オオカミよりも体は小さい。 耳は大きく、鼻面もキツネのように細長い。 歩いている時も、オオカミは少し尾を持ち上げるようにしているが、コヨーテは尾を垂らしたまま歩く。 単独やつがい、或いは家族群で生活していて、群れをつくることは少ない。 主に夜行性であるが、時に昼間も活動し、ウサギ類やプレーリードッグのような小動物のほか、鳥や爬虫類を主に食べるが、死肉や果実などの植物質も食べる。 また、コヨーテは人の住む地域の近くにも生息し、ニワトリなどの家禽やヤギ、ヒツジなどの家畜を襲うこともある。 行動範囲は雄で20~40k㎡、雌で10k㎡程度と言われているが、生息環境や食糧事情などによって変化し、尿などによって縄張りを主張する。 競合する肉食の動物はピューマやオオカミなどだが、オオカミが少ない地域では、群れをつくりより大きな獲物を狙うこともある。 獲物を獲るときは単独で追うこともあるが、コヨーテは賢い動物で、仲間を組んでリレーのように追走したりして獲物をとらえる。 走るのは速く、時速65km程で駆けることができるほか、跳躍力にも優れていて、4m程も跳ぶことが出来ると言われている。 学名の 「latrans」 とは 「やかましく吼えるもの」 という意味だが、コヨーテは日が暮れると数頭が集まり、遠吠えする習性があることはよく知られている。 この遠吠えは明け方にも行われ、1頭が吼えると次第に他のものも加わり、しばらくの間鳴き続ける。 一夫一婦で、繁殖期は地域によって差があるが、北方のものは1~3月頃とされている。 妊娠期間50~65日程で1産2~12子、ふつうは4~7子を出産するが、希に19子を出産すると言われている。 巣穴は藪の中などに穴掘ったりするが、樹洞や岩の間を利用したり、アナグマなどが掘った穴を利用することもある。 生まれたばかりの子どもは体重250g程で、目は閉じている。 10日から2週間ほどで目は開き、5~7週間は授乳される。 育児は雌雄が協力して行うが、前年に生まれた子どもが育児を手伝うこともある。 春に生まれた子どもは、秋にはひとりで狩が出来るようになり、その後一部のものは残るが、多くのものは独立していく。 雌は1年程で性成熟するが、実際の繁殖は、ペアとなって行動範囲をもった次の年とされている。 野生での平均寿命は10年程度、飼育下では15年程度と考えられているが、飼育下では21年を超えるものが知られている。 また、コヨーテはイヌやオオカミとの交配でも繁殖能力のある雑種ができ、コイドッグ (Coydog) などと呼ばれている。 近年はピューマなどは生息数が減少しているが、コヨーテは生息域を広げていると言われている。 これは何でも食べる雑食性のほか、多産であると共に残った子どもが育児を助けるので、子どもの生存率が高いからだと考えられている。 イヌ科の動物へ / このページの先頭へ |
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コヨーテ