ミーアキャットはマングースの仲間で、南アフリカ共和国やボツワナ南部、ナミビアなどのほか、ジンバブエやモザンビーク、アンゴラの一部などのアフリカ南部に分布している。 地域によって3亜種に分類されるが、体つきはほっそりとして、鼻先はかなりとがった感じがする。 四肢には4本の指があり、爪は鋭い。 毛色は茶色や褐色、灰褐色や灰白色などで、腹側は淡く、尾は長くて先は黒い。 背中には10本程の暗色の横縞があり、目の周りにも黒い縁取りが見られる。 荒れた低木林や乾燥したサバンナ、石の多い開けた土地や藪地などに生息し、パックと呼ばれる家族単位の群れで生活しているが、家族集団がいくつか集まって、30~40頭程の群れをつくることもある。 マングースの仲間は夜行性のものが多いが、ミーアキャットは昼行性の動物で、日の出と共に巣穴から出て、昆虫や小鳥、トカゲ、小動物などのほか、球根や果実、木の葉などの植物質のものも食べる。 また、餌が少ないときには、ヘビや毒をもったサソリなどもとらえて食べるが、嗅覚は鋭く、地下にいる昆虫の幼虫なども嗅ぎ出すことができる。 巣は岩の割れ目や地面に穴を掘って長いトンネル状のものをつくるが、前肢の爪は特に強力で、穴を掘るのに適している。 平均した巣穴の直径は5m程で、入り口は何ヶ所か作られている。 深さは1.5~2m程にもなり、幾つかの階層が設けられているが、巣穴は幾つか掘られ、それらが繋がって25~30m程の長さになっている。 また、巣穴の周囲は肛門腺からの排泄物や分泌物でマーキングされていて、雄の肛門腺はよく発達している。 活動は巣穴を中心にして行われるが、巣穴は1年の間に幾つか掘られる。 これらの範囲は平均で5k㎡程になるが、食糧事情や群れの大きさなどによって2~10k㎡の幅があり、中には15k㎡程の行動範囲をもつ群れも見られる。 また、ミーアキャットは日光浴を好み、朝になって気温が上がると巣穴から出てきて、群れになって日光浴をしているが、日中でも太陽に向かって立ち上がっている姿がよく見られる。 これはジャッカルやタカなどの外敵を警戒するためとも考えられているが、ミーアキャットが社会生活をするのも、ひとつには集団で外敵などを追い払ったり、避けるためでもあると言われている。 警戒心が強く、餌を食べている時でも数頭が見張りをしているが、視覚は優れていて、危険が迫ると鋭い鳴き声をあげて仲間に知らせ、行動範囲に幾つもある巣穴に逃げ込んで身を隠す。 このほか、ミーアキャットの生活様態や習性は、北アメリカの平原などに生息しているプレーリードッグによく似ていて、体つきも似た感じがするが、ミーアキャットは肉食性が強いマングースの仲間で、プレーリードッグは草食性でリスの仲間に属している。 また、ミーアキャットは可愛い動物で動物園などでも人気があるが、意外と気が荒く、引っかかれたりすると、爪が鋭いので思わぬ怪我したりをする。 決まった繁殖期は見られないが、出産の多くは8~3月頃に見られる。 交配は優位の雄と優位の雌によって行われることが多いが、稀に優位の雄と下位の雌との間に行われることもある。 妊娠期間は11週程で、1産2~5子、普通は3~4子を出産する。 生まれたばかりの子どもの体長は5cm、体重は25~35g程で、目は閉じている。 生後10日から2週間ほどで目は開き、1ヵ月半~2ヵ月程で離乳する。 子育ては群れの仲間によっても行われ、雌雄共に1年程で性成熟する。 雄は1年半~2年半程の間に群れから離れ、他の群れの雌と新たなグループを形成する。 飼育下での寿命は10~15年程度と言われているが、20年を超えたものも知られている。 しかし、野生ではこれよりも短く、8年程度と考えられている。 農地などを荒らす場合は害獣として駆除されたりするが、現在のところ絶滅の危惧はないとされている。 また、ミーアキャットは別名スリカータとも呼ばれていて、ミーアキャットだけで1属1種のスリカータ属を形成している。 尚、ミーアキャットは、現在次の3亜種が知られているが、マングース科をジャコウネコ科に含め、マングース亜科とすることもある。
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ミーアキャット (スリカータ)