ジャッカルの仲間はアフリカのほか、ヨーロッパから中近東、東南アジアにかけて広く分布しているが、セグロジャッカルはアフリカ大陸の東南部に分布している。 分布域は大きく2ヶ所に分かれていて、ひとつは南アフリカ共和国、レソト、ナミビア東部、ボツワナ、アンゴラ南部、モザンビーク、ジンバブエなどのアフリカ大陸南部で、もうひとつはケニア、ソマリア、ジブチ、エチオピアなどの東部で、この大きな集団の間にタンザニア北部のオルドバイ峡谷に分布しているものがいる。 毛色は赤褐色で、体の側面はオレンジがかっているので、一見すると足の長いキツネのようにも感じられるが、特徴的な霜降り状の灰黒色の毛が首から背面にかけて見られるのですぐに分かる。 体はほっそりとして、耳は大きく10cm以上もあり、先は尖っている。 前肢は5本、後肢には4本の指があり、尾はふさふさとしていて先が黒い。 セグロジャッカルは主として夜行性の動物だが、しばしば昼間も行動する。 藪の多い森林や開けた草原、サバンナなどに生息しているが、時には3000mの高地にも姿を見せる。 普段は早足で移動するが、獲物を狙う時などはゆっくりと行動する。 聴覚と嗅覚は大変鋭く、南アフリカでの行動範囲は11k㎡程度とも言われているが、生息環境などによって変化する。 単独やつがい、あるいは家族群で生活し、ノウサギなどの小動物や鳥、カエルなどの両生類やヘビ・トカゲなどの爬虫類、昆虫などのほか、雑食性で果実などの植物質も食べる。 レイヨウなどの大きなものを倒す時は群れで狩を行うが、サバンナで死肉などを見つけると、ハイエナなどと一緒にこれを食べることもする。 また、ライオンの後などを付いてまわり、素早く獲物にかじりつき、肉をかみとって逃げることもよくある。 穴掘りはうまく、巣穴は自分で掘ることもあるが、地面の穴や自然の岩穴などのほか、アードウルフやツチブタの掘った穴などをよく利用する。 獲物の少ないときは子ヒツジなどの家畜やニワトリなどの家禽も襲うため害獣として嫌われているが、セグロジャッカルは利口な動物で、毒エサなどで駆除しようとしても、少しかじるだけで捨ててしまう。 れでも、近年における生息地の破壊のほか、食用や毛皮を目的とした狩りや害獣として駆除されたりして、生息数は減少してきている。 セグロジャッカルの夫婦仲はよく、つがいは絶えず行動を一緒にし、その絆は一生続くと言われている。 繁殖期は5~8月頃で、妊娠期間60日前後で、1産3~9子、ふつうは3~4子を出産する。 生まれたばかりの子どもは体重160g程で、黒っぽい毛で覆われている。 目は閉じているが、10日程で開き、子どもは2ヶ月程は授乳される。 育児は雌雄で協力して行い、離乳期には胃にためた食物を吐き出して子どもに与えたりする。 子どもは半年頃から狩りを学び、11ヵ月程で性成熟すると言われている。 この頃には群れから離れて自立していくものもあるが、一部は群れに残って次の育児の手伝いを行ったりする。 外敵はヒョウやチーターなどが考えられるが、野性での寿命は7年程度、飼育下では15年程度と考えられている。 イヌ科の動物へ / このページの先頭へ |
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セグロジャッカル