動物図鑑・コチドリ

コチドリ

コチドリ さんのプロフィール


動物図鑑・コチドリ
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和 名 コチドリ
分 類 チドリ目・チドリ科
学 名 Charadrius dubius
英 名 Little ringed plover
分布域 国内では主に夏鳥として飛来する
生息環境 海岸や干潟、河川や湖沼周りなど
全 長 16cm 程度
翼開長 35~38cm 程度
体 重 35~40g 程度
自治体によっては絶滅危惧種など
コチドリは国内で見られるチドリの中では最も小さく、目の周りの鮮やかな山吹色のアイリングがよく目立つ。
国内では主に夏の鳥として見られ、海岸や干潟、河川周辺などで生活している。

●分布域・生息環境
●大きさ・形態
●生態・生活
●繁殖・寿命
●保護状況・その他

●写真ページ


コチドリの分布域・生息環境
コチドリは、夏にはユーラシア大陸の広範囲で繁殖し、冬にはユーラシア大陸南部やフィリピン、ニューギニア、アフリカ北部などに渡って越冬する。

国内では主に夏鳥として飛来し、浜辺や干潟、耕作地など、各地で見られ、南日本の暖かい地域では越冬するものも見られる。


コチドリの大きさ・形態

コチドリの全長は16cm程度、翼を広げると35~38cm程で、名前のように、国内で見られるチドリの中ではもっとも小さい。

背側は灰褐色で、腹側は白い。
頭部は白いが、頭頂は灰褐色で、額には黒い帯が見られる。
この帯は夏では濃く、冬では薄くなる。

嘴は黒く、脚は黄色や赤っぽい色をしている。
また、目を通る黒っぽい帯(過眼線)があり、額にある帯と繋がっているが、目の周りのアイリングが鮮やかな山吹色をしているのがコチドリの特徴になっている。

胸の辺りには黒い帯があり、ふつうは輪になっていて、雄ではこの帯がはっきりとしていて幅広く、雌ではやや細くなっている。
また、雌は雄よりも全体に淡い色をしている。

一見するとイカルチドリに似ているが、コチドリはイカルチドリも小さく、嘴も短い。
目の周りのアイリングもはっきりとしていて、鮮やかな山吹色のアイリングは、離れていもよく目につく。

また、シロチドリとも似ているが、シロチドリの目の周りのアイリングは白いので、コチドリとは容易に見分けることができる。

このほか、コチドリは他のチドリ類と異なり翼の上面に翼帯がないので、飛んでいるときには模様などが出ないことも、コチドリの特徴になっている。


コチドリの生態・生活

コチドリは、国内では主に夏鳥として飛来してくるが、南日本の暖かい地域では、一年を通して見られる。

海岸や干潟、河川や湖沼周りのほか、埋め立て地や耕作地などにも生息し、河川では主に中流域で見られるが、海岸の浜辺などではシロチドリと一緒にいることも多い。

主に多毛類や昆虫類などを食べるが、カニなどの甲殻類も食べる。
採餌の様子はシロチドリなどと同じで、浜辺では波打ち際をジグザグに歩くようにして餌を探している。
少し歩いては立ち止まり、また方向を変えて歩く様子も同じように見られる。



コチドリの繁殖・寿命

コチドリの繁殖は一夫一婦で行われ、国内での繁殖期は4~7月頃に見られる。

巣は、ふつう砂浜や砂礫海岸、耕作地などに、浅い穴を掘ってつくられる。
巣には貝殻や小石、草や小枝などが敷かれていることもあり、雌は3~4個ほどの卵を産む。

抱卵は雌雄で行われ、卵は24~25日程で孵化する。
ヒナは孵化した日には歩けるようになり、親と一緒に採餌するようになる。

猛禽類やヘビ、イタチなどの外敵が近づくと、ほかのチドリと同様、親は偽傷して、相手の注意をそらす行動をとるが、巣の近くには数個の擬巣をつくることも、ほかのチドリと同様に見られる。

ヒナは孵化後4週間頃には飛べるようになり、その後、2~3週間のうちに独り立ちする。

野生下での寿命は4~5年程度と言われているが、詳しいことは分かっていない。
同じチドリ科のケリが、野生下で14年の記録が残されているので、体の大きさは違うが、コチドリも5~10年ほどの寿命はあるのではないかと考えたりする。


コチドリの保護状況・その他

コチドリは、現在のところ生息数は安定していると考えられていて、絶滅の恐れはないとされている。

しかし、国内では開発などによる生息地の減少などで、コチドリの生息数も減少傾向にあり、自治体によっては絶滅危惧種や準絶滅危惧種に指定している。

尚、コチドリには次の亜種が認識されている。

Charadrius dubius dubius
フィリピンやニューギニア、ビスマルク諸島などに分布する基亜種

C. d. curonicus
ヨーロッパから中国や日本、北アフリカなどで夏を過ごし、冬には中国南部やスリランカ、インドネシア、サハラなどに移動する、

C. d. jerdoni
インドやスリランカ、パキスタンから東南アジアに分布

また、学名の「Charadrius」は、ウルガタ聖書に記載されている黄色がかった鳥を表す後期ラテン語が由来になっている。

「dubius」は、ラテン語で「はっきりしない・疑わしい」などの意味で、18世紀頃には、ハジロコチドリ(Charadrius hiaticula)の変種ではないかと考えられたことによる。


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