コフラミンゴ

コフラミンゴ さんのプロフィール


コフラミンゴ

コフラミンゴ (コガタフラミンゴ)

フラミンゴ目・フラミンゴ科
学 名 Phoenicopterus minor
英 名 Lesser Flamingo
分布域 アフリカやインドなど
生息環境 アルカリ性の湖沼や干潟など
全 長 90~110cm 程度
翼開長 100~110cm 程度
体 重 1.2~2.5kg 程度
IUCNによる保存状況評価 / 準絶滅危惧種(NT)

コフラミンゴは、アフリカやインドなどに分布している小型のフラミンゴで、フラミンゴ類の中ではもっとも体が小さい。
オオフラミンゴとはよく似ていて、同所的に見られることもあるが、両種は嘴の色が違っているので見分けることができる。
●分布域・生息環境
●大きさ・形態
●生態・生活
●繁殖・寿命
●保護状況・その他


コフラミンゴの分布域・生息環境
コフラミンゴは、南アフリカ共和国やボツワナ、ナミビアやザンビア、タンザニア、ケニアなどのほか、モーリタニアからセネガルを経てナイジェリアなどの西アフリカ沿岸部に分布している。
内陸部のチャドにも一部が生息していて、パキスタンとインドの国境辺りの沿岸域にも分布している。

しかし、分布域が広いように見えるが、コフラミンゴは水深が浅いアルカリ性の大きな湖沼や湿地、塩湖などに生息していて、生息地は限られている。


コフラミンゴの大きさ・形態
コフラミンゴは、名前のように、最も小型のフラミンゴで、別名・コガタフラミンゴとも呼ばれている。

しかし、体高は80~110cm程もあり、国内で見られるダイサギアオサギほどの大きさがある。
平均した雄の体重は1.8kg程度、雌は1.5kg程で、体は雄の方が大きい。

他のフラミンゴと同様、首は長く「S」字のように曲がっていて、細くて長い足には水かきがある。

雌雄ともに同色の鳥で、全体に淡いピンク色やピンクがかった白色をしているが、赤っぽいものも見られる。
「く」の字型のように曲がった嘴は赤っぽいが、暗色の部分が多く、離れて見ると黒色に見える。
また、足はピンク色をしている。

一見するとオオフラミンゴによく似ているが、体はオオフラミンゴよりは小さい。
また、コフラミンゴの嘴は、オオフラミンゴの嘴よりも黒っぽい部分が多く、目の先も黒っぽい色をしている。


コフラミンゴの生態・生活
コフラミンゴは水深の浅い湖沼や干潟、湿地などに生息していて、大きな群れをつくって生活している。
夕暮れと夜明け頃にはもっとも活発に活動するが、その多くの時間を採餌に費やしている。

藻類やプランクトンなどを食べるが、主にアルカリ性の強い湖で育つスピルリナという藍藻類を食べている。

フラミンゴの仲間は、この様な小さな餌を長い嘴を使って濾し取るようにして食べるが、途中で曲がっている独特の嘴の中には、「ラメラ」と呼ばれる櫛状の細かい繊毛があり、餌をこしとって食べるのに適したつくりになっている。

また、コフラミンゴは環境の変化に敏感と言われていて、雨量が増して湖の水位が上がったりすると餌にも影響が及ぶことから、その様な時には長距離を移動して、好ましい生息環境へと向かう。
その移動距離は一度に450km程に及ぶこともあり、コフラミンゴは飛翔力にも優れている。

外敵はワシなどの猛禽類で、卵やヒナが襲われることが多いが、ワシの巣が湖の近くの樹木にあることから、成鳥が湖岸にいる場合、襲われることが多い。
また、ジャッカルやキツネ、シマハイエナやヒヒなども外敵として知られている。

コフラミンゴは大きな群れで生活することで捕食されるリスクを減らしているが、外敵などが近づくと、先に気づいたものは、首をS字型から垂直にまっすぐ伸ばすという警戒ポーズととり、仲間に知らせる。

また、小型の猛禽類などに対しては、嘴を開いて翼を上げ、頭と首を鉤状にして威嚇ポーズをとったりするが、時には近づいてくる捕食者に突進することもある。


コフラミンゴの繁殖・寿命
コフラミンゴは群れをつくって生活しているが、繁殖も群れで行われる。
繁殖期は地域によって変化があり、10~2月頃と言われているが、主な繁殖地はタンザニアのナトロン湖、ナミビアのエトーシャ湖、ボツワナのマカディカディ湖などだが、インドなどでも繁殖している。

繁殖は一夫多妻で行われ、一度の繁殖期に、雌は複数の雄と交配する。
営巣地は浅い水域が選ばれ、水深はふつう1m未満で、巣は浅瀬に泥や堆積物などを用いてつくられる。

巣は上部がやや窪みになった円錐状で、水面から15~20cm程の高さがある。
上部は直径20cm程で、巣はふつう1~2m程の間隔でつくられ、巣の周りには縄張りが主張される。
また、巣はふつう新しい泥などを用いて修復され、再度使われるが、その際には巣は大きくなり、高さも増す。

雌はふつう1個、時に2個を産卵し、抱卵は雌雄によって行われる。
卵は28~31日ほどで孵化するが、ヒナの羽毛は灰色で、嘴は曲がっていない。
これは、ふつうの嘴である方が、親から口移しに餌をもらうことに適しているからだと考えられていて、1週間ほどは親と一緒に巣で過ごす。

その後、親に付いて回れるようになり、孵化後3週間の頃には、ヒナはクレッシュと呼ばれる小さな群れをつくりはじめる。

その後、親に付いて回れるようになり、孵化後3週間の頃には、ヒナはクレッシュと呼ばれる小さな群れをつくりはじめる。
クレッシュは数羽の成鳥に見守られているが、これらの成鳥は、より若いヒナの親か、自分のヒナを失った親鳥からなっている。
ヒナは孵化後90日ほどで独立し、雌雄ともに3~4年で性成熟する。

野生下での平均寿命は28年程度、長いものは32年のものが知られているが、より長く生きるものもいるとも言われている。
飼育下での寿命は44年のものが知られているが、平均的な寿命ははっきりとしない。

また、コフラミンゴは毎年繁殖するわけではなく、5~8年ごとに繁殖すると考えられている。


コフラミンゴの保護状況・その他

コフラミンゴは、フラミンゴの中では個体数も多く、一般的な種と言われているが、近年の開発などによる生息地の減少や劣化などにより、個体数が減少している。

主な繁殖地であるナトロン湖やケニアのナクル湖、ボゴリア湖周辺では、鉱物の採掘による水質汚染が心配されているが、他の地域でもダム建設による水質や生息地の劣化などが懸念されている。

現在、国際自然保護連合では準絶滅危惧種(NT)に指定しているが、保護対策などが必要とも考えられている。

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