シジュウカラ

シジュウカラ さんのプロフィール


シジュウカラ

シジュウカラ

スズメ目・シジュウカラ科
学 名 Parus minor
英 名 Japanese tit / Oriental Tit
分布域 ロシア南東部から中国や日本、ミャンマーやタイ、ラオスなど
生息環境 平地から低山地にかけての森林や二次林など
全 長 13~16cm 程度
翼開長 20~22cm 程度
体 重 11~20g 程度

シジュウカラは市街地の公園などでも見ることができる身近な鳥で、ほぼ全国に分布している。
胸にあるネクタイのように見える黒い帯が特徴で、さまざまな鳴き声が聞かれる。
●分布域・生息環境
●大きさ・形態
●生態・生活
●繁殖・寿命
●保護状況・その他


分布域・生息環境
シジュウカラは、ロシア南東部から中国、チベットやミャンマー、タイ、ラオスなどに広く分布していて、国内でも小笠原諸島を除く全国に分布している。

国内各地でふつうに見られる馴染みのある鳥で、低地から山地にかけての森林などに生息しているが、冬には積雪の多い地域では南へ移動したり、山地のものは低地に降りてきたりする。


大きさ・形態
全長は13~16cm程で、スズメ程かやや大きい。
羽毛は、背は灰色をしているが、やや青や黄緑色を帯びている。
頭部は黒いが、頬は白くて、胸から腹にかけてはネクタイのような黒い帯があり、これがシジュウカラの特徴になっている。
また、翼には1本の白い帯があり、嘴は黒い。

雌雄同色の鳥だが、胸にある黒い帯は、雄の方がやや太くなっている。


生態・生活

シジュウカラは平地から低山地にかけての明るい森林や二次林、湿地などに生息しているが、河川周辺の疎林や寺社の樹林などにも生息している。
また、市街地の公園でもよく見られ、街路樹のほか、時に庭木に留まっていることもある。

各地でふつうに見られる鳥で、ペアや小さな群れで生活していて、冬にはしばしばエナガマヒワカワラヒワなどの群れと一緒に見られる。

昆虫やクモ類などのほか、果実や種子など、様々なものを食べる。
採餌は樹上でも地上でも行われ、夏には昆虫類などの動物質のものを多く食べる。

また、春には花の蜜なども吸っているが、シジュウカラの嘴は長くないため、メジロなどのように頭を突っ込むようにするのではなく、横から子房に穴を開けて密を吸っている。

ところで、「シジュウカラ」の名前の由来は諸説あるが、江戸時代の『和漢三才図会』を見ると、「四十雀 (正字は未詳)」で紹介されている。
それには、「声は清滑で盛んに囀る。四十加羅(しじゅうから)と囀っているように聞こえる。それでこのように名づける」と記載されているので、名前はその鳴き声から付けられているのが分かる。

また、より古くは「しじゅうからめ」と呼ばれていたようで、平安時代初期の「日本霊異記」に「しじゅうからめ」の記述があると言われているが、これについては確認できておらず、はっきりとしない。

しかし、実際のところ、シジュウカラは様々な鳴き声あげる。
モズも様々な鳥の声を模して鳴くと言われているが、シジュウカラは「ツツピー、ツツピー」や「ツーピ、ツーピ」、「チュチュパー、チュチュパー」、「 ジュクジュクジュク」など、様々な鳴き声穂上げる。

この内のひとつが「ジュジュ」や「シジュウ」などに聞こえたのが名前の由来 (「から」、「からめ」は鳥の古語) なのだろう。

また、これらの鳴き声はさまざまなコミュニケーションの役割を果たしているが、それぞれの鳴き声には独自の意味があると考えられている。

近年の研究によると、シジュウカラの鳴き声には一種の文法があり、鳴き声の組み合わせや順序によって、より具体的な意味を持たせていることが分かっている。

シジュウカラは鳴き声の組み合わせによって200以上の内容を伝えることができると考えられていて、動物言語学の研究対象にもなっている


繁殖・寿命

シジュウカラは分布域が広いこともあり、繁殖期には幅があるが、主に3~7月頃に見られる。
繁殖は一夫一婦で行われ、その関係は長く続くと言われている。

シジュウカラは樹木の洞などに営巣するが、キツツキ類の古巣などを利用することもある。
また、人が設置した巣箱に営巣することもあるほか、使われなくなった郵便受けや、時にはブロック塀の隙間などに巣をつくることがある。

巣の中にはコケや獣毛などの柔らかい素材が敷かれていて、雌は7~10個ほどの卵を産み、抱卵は雌が行う。
ヒナは3週間ほどで巣を離れるが、その後もしばらくの間は親と一緒に生活している。

飼育下での寿命は10~15年程度で、野生下では足環による観察で7年を超えるものが知られているので、これよりは長い寿命をもっているのだろう。


保護状況・その他

シジュウカラは分布域も広く、現在のところ絶滅の恐れはないとされている。
国内でも各地でふつうに見られ、個体数は安定していると考えられている。

尚、シジュウカラは、以前は北アフリカやユーラシア中・西部に分布している Parus major の亜種(P. m. minor)とされていたが、現在は独立種としてとらえられている。
但し、国際自然保護連合などでは依然 Parus major の亜種として扱っている。

また、国内に分布しているものを更に別亜種に別けることもあるが、シジュウカラには概ね次の亜種が認識されている。

Parus minor minor (artatus、wladiwostokensis、kagoshimaeは同意語)
ロシア南東部から日本、韓国、中国南西部、チベット東部などに分布する基亜種

P. m. tibetanus
中国南西部からチベット南部

P. m. subtibetanus
中国南部からチベット南東部、ミャンマー北西部

P. m. nubicolus
ミャンマー南東部からタイ北部、ラオス北部、トンキン湾西部


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