ヤマガラ

ヤマガラ さんのプロフィール


ヤマガラ

ヤマガラ

スズメ目・シジュウカラ科
学 名 Sittiparus varius
英 名 Varied tit
分布域 日​​本や朝鮮半島、中国北東部など
生息環境 平地から山地にかけての森林など
全 長 12~15cm 程度
翼開長 20~22cm 程度
体 重 16~18g 程度

ヤマガラは朝鮮半島などにも分布しているが、国内ではほぼ全国に分布していて、一年を通して見ることができる。
腹側のオレンジ色がよく目立ち、しばしばシジュウカラなどと一緒に見られる。
●分布域・生息環境
●大きさ・形態
●生態・生活
●繁殖・寿命
●保護状況・その他


分布域・生息環境
ヤマガラは日​​本や朝鮮半島、中国北東部やロシア南東部などに分布していて、千島列島南部にも分布している。
国内ではほぼ全国に分布しているが、小笠原諸島では見られないとされている。

低地から山地の森林や疎林などに生息しているが、都市部の寺社林や河川沿いの雑木林などでも見られる。


大きさ・形態
ヤマガラはスズメ程の大きさで、全長は12~15cm程度、翼を広げると20~22cm程の大きさがある。
頭部はやや大きく、全体にずんぐりとした感じを受けなくもない。

雌雄ともに同色の鳥で、頭部は黒いが、頭頂部には白い縦帯が見られる。
額から頬にかけても白っぽいが、両目の間はオレンジ色を帯びている。

喉は黒く、翼や尾は青みのある灰色をしているが、脇から腹にかけては橙色やオレンジ色のような色合いで、嘴や足は黒っぽい色をしている。


生態・生活

ヤマガラは、国内では一年を通して見られる留鳥で、各地に広く分布している。
低地から山地の森林などで見られ、標高1500m辺りまで生息しているとされているが、高地のものなどは、気温の下がる冬には低地へ移動する。

広葉樹林でよく見られるが、針葉樹林や混合林などにも生息していて、都市部の疎林や寺社林、樹木が多ければ公園などでも見ることができ、ヤマガラは樹木のある様々な環境で見られる。

ふつうは単独やペアで見られるが、時に小さな群れで見られることもあり、シジュウカラやエナガコゲラなどの群れと一緒になっていることも多い。

主として樹上性の鳥で、枝から枝へと活発に動き回り、昆虫類やその幼虫、クモ類などを食べるが、果実や種子なども食べる。
しかし、地上で採餌していることも多く、夏には動物質、冬には植物質のものを多く食べる。

硬い木の実なども両足で挟み、丈夫な嘴で殻をこじ開けて食べてしまうが、ヤマガラはエゴノキやアカマツ、ツバキやスダジイ、イチイなど、さまざまな木の実を食べている。

また、ヤマガラは特にエゴノキの実を好むとも言われているが、エゴノキの実には有毒なサポニンと呼ばれる物質が含まれている。
それを知っているのか、ヤマガラは有毒な皮を割り、中にある種子だけを食べている様子が観察される。

ところで、ヤマガラは木の実などを浅い地中や樹皮の間などに隠して貯めておくことが知られている。

これは、餌の少ない冬期に利用するほか、翌年の繁殖期にヒナに与えるためなどと考えられているが、ほかの鳥や動物などにとられる前に蓄えているのだろうということも指摘されている。

蓄えた場所などをしばしば忘れてしまうとも言われているが、貯蔵したものの98%を覚えていたという観察記録もあるので、ヤマガラの記憶力は考えている以上に優れていて、餌の少ない時などに有効利用しているのだろう。

あまり人を恐れることもないようで、飼育するとよく馴れるとも言われている。
鳴き声はシジュウカラに似ていて、「ツツーピー、ツツーピー」や「ツイッ、ツイッ」、「ビィービィービィー」など、ゆっくりとしたさえずりを聞かせる。


繁殖・寿命

国内でのヤマガラの繁殖期は3~7月頃で、巣は樹木の洞などにつくられるが、キツツキ類の古巣や時に人工の巣箱を利用することもある。
また、繁殖は一夫一婦で行われ、ペアの関係は生涯続くとも言われている。

巣の中には苔類や獣毛などの柔らかい素材が敷かれていて、雌は3~8個の卵を産卵する。
抱卵は雌が行い、卵は2週間ほどで孵化する。
雌雄ともに育児を行い、ヒナは3週間ほどで巣立ちする。

外敵はカラスや猛禽類、アオダイショウなどで、主にヒナや卵が襲われる。

また、ヤマガラの詳しい寿命などは分かっていないが、野生下では足環による観察で10年を超すものが記録されているので、これよりは長い寿命をもっているのだろう。
しかし、国内ではよく見かける鳥なのだが、飼育下でのヤマガラの寿命ははっきりしない。


保護状況・その他

ヤマガラの個体数は安定していると考えられていて、国際自然保護連合(IUCN)では、現在のところ絶滅の恐れはないとしている。
しかし、国内では生息数が減少している地域もあり、環境保全などの取り組みが指摘されている。

尚、ヤマガラには次の亜種が認識されている。

Sittiparus varius varius
日本や千島列島、朝鮮半島や中国北東部などに分布する基亜種

S. v. amamii
奄美大島や徳之島、沖縄本島など

S. v. namiyei
北伊豆諸島

また、以前はIUCNなどが絶滅危惧種の亜種としていた Sittiparus varius owstoni(オーストンヤマガラ)は、現在は独立種(Sittiparus owstoni)とされているが、依然として絶滅危惧種に指定されている。

加えて、以前はオーストンヤマガラと同様、ヤマガラの亜種とされていた S. v. olivaceus(オリイヤマガラ・西表島など) も Sittiparus olivaceus として、亜種・S. v. castaneoventris(タイワンヤマガラ・台湾に分布) も S castaneoventris として、現在は独立種して扱われている。


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