モンゴルマーモットはリス科の中ではもっとも体が大きく、地上で生活をしている。 別名・タルバガン(マーモット属の仲間のことをタルバガンと呼ぶこともある)、シベリアマーモットなどとも呼ばれている。
モンゴルマーモットの分布域・生息環境 モンゴルマーモットは、モンゴルを中心として中国東北部、ロシアの一部などに分布している。 平地から山地にかけて見られ、サバンナや草原、原野や半砂漠地帯、森林などに生息している。 モンゴルマーモットの大きさ・形態 マーモット属はリス科の中ではもっとも体が大きく、モンゴルマーモットも体長50~60cm、体重も6~8kg程の重さがある。 体つきは北米に生息しているプレーリードッグに似ているが、プレーリードッグよりもひと回りほど大きく、体つきも重そうな感じがする。 雄の方が雌よりも体が大きく、大きなものは体重10kg近くに成長する。 毛色には変化があるが、全体に黄褐色や灰色、褐色を帯びたような灰色で、頭部や尾の先は黒っぽい。 また、四肢は短いが、前足はよく発達していて、鋭い爪がある。 モンゴルマーモットの生態・生活 モンゴルマーモットはサバンナや草原、原野などに生息しているが、森林地帯や山の斜面などでも見られ、標高3000mを超す高地にも生息している。 昼間に活動し、13~18頭、小さいものでは2~6頭程の群れで生活している。 この群れは雌雄の成獣とその子どもからなる家族群で構成されていて、個体数は食糧事情などによって増減する。 主に草類や果実、苔などの植物質のものを食べるが、時に昆虫類なども食べる。 採餌するときは、他のリスのように、前足を器用に使って食べている。 行動範囲は食糧事情などによって変化するが、平均した行動範囲は0.03~0.06平方km程度と言われている。 マーモットの仲間は、巣穴を地中や岩の間などにつくる地上性のリスの仲間だが、モンゴルマーモットも数メートルの深さまで地中に穴を掘って巣をつくる。 巣穴には数ヶ所の出入り口があって、逃げ道を確保するとともに、通気性をよくしたものになっている。 また、モンゴルマーモットは冬場には冬眠するため、秋には脂肪を蓄え、体は肥満し体重が大きく増える。 外敵にはユキヒョウやオオカミ、ヒグマやキツネなどのほか、ワシなどの猛禽類で、危険を感じたりすると、プレーリドッグのように立ち上がり、大きな警戒音を発して辺りに気を配る。 外敵を見つけると素早く巣穴に潜り込んで身を隠すが、年長のものほど警戒心が強く、身を隠すのも早いと言われている。 モンゴルマーモットの繁殖・寿命 モンゴルマーモットの繁殖期は4月頃で、冬眠から目覚めるとほどなく繁殖をはじめる。 繁殖はコロニー的な群れの中で行われ、群れの中の相手と繁殖する。 繁殖は一夫一婦や一夫多妻で決まってないが、雌はふつう2年ごとに繁殖するとも言われている。 雌の妊娠期間は40~42日程で、出産は5月末頃に多く見られる。 また、雌はふつう4~6子を出産するが、稀に8子を出産することもある。 授乳期間は1~1ヵ月半で、雌雄ともに2年で性成熟する。 しかし、子どもはその後も1年ほどの間は群れの中に留まっている。 詳しい寿命は分かっていないが、野生での寿命は13~15年、飼育下では10~20年程度と考えられている。 モンゴルマーモットの保護状況・その他 モンゴルマーモットの生息数は長期に渡って減少を続けていて、現在、国際自然保護連合(IUCN)の保存状況評価によって絶滅危惧種(EN)としてレッドリストに指定されている。 主な原因は、外敵などよりも肉や毛皮を目的とした乱獲によるもので、ロシアではほとんど見られなくなっている。 モンゴルマーモットはペストなどの感染源であると言われているが、それでも狩猟は止まず、生息数は減少している。 尚、モンゴルマーモットには次の亜種が知られているが、ふつうは標高の異なるところに生息していると言われている。 Marmota sibirica sibirica 低地のステップや草原に生息している基亜種 M. s. caliginosous 標高の高い山地や斜面など |
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モンゴルマーモット (タルバガン)