アルパカはペルーやボリビア北部、チリ北部などの海抜3,500~5,000m程のアンデス山脈の高原地帯で放牧されている家畜で、紀元前3~4世紀頃にはすでに家畜化されていたと考えられている。 アルパカはラマやグアナコと同様、使役や被毛の利用を目的に、ビクーナから家畜化されたものと言われているが、現在では絶滅してしまった別種の野性のものからとも考えられている。 体つきはラマなどに似ているが、体は少し小さく、長い毛をもっている。 毛色はふつう黒色であるが、白色や茶色、灰色などのほか、それらの毛色が混ざったものなど、多くの変化がある。 しかし、いずれも毛は柔らかく、四肢の先まで密生している。 この密生した被毛は、長い部分では40~60cm程の長さにもなり、刈らずにいると更に伸び続ける。 ラマが主に使役に用いられるのに対して、アルパカは使役よりも、主にその被毛を目的に利用されている。 1~2年ごとに刈り取られるアルパカの被毛は、ウールの中でも最上質のものとされ、非常に高価なものとされている。 また、肉や皮も利用され、糞は肥料や燃料としても使用されている。 このほか、アルパカは他のラクダ科の動物と同様反芻胃をもっているが、怒った時などには胃の内容物を吐きかける習性がある。 この習性はラクダの仲間全般にみられるが、吐しゃ物には強烈なにおいがあり、相手を遠ざけるのにかなり有効である。 アルゼンチンなど、南アメリカ南部ではほとんど見られないが、湿潤な高原地帯に群れを成して生活し、草や干草、苔や樹皮などを食べる。 一夫多妻で、支配的な雄は5~10頭程の雌とのハーレムを形成するとも言われている。 決まった繁殖期は見られず、妊娠期間は242~345日と幅があるが、平均すると11ヵ月程で、普通は1産1子を出産する。 生まれたばかりの子どもの体重は7~9kg程で、6~8ヶ月は授乳される。 雌は1年を過ぎる頃には性成熟するが、雄は3年ほどを要する。 寿命は飼育下で15~20年程だが、野生下では5~10年程度と考えられている。 決まった外敵などは知られていないが、潜在的な外敵としてはピューマなどが挙げられる。 また、アルパカはアメリカ合衆国やニュージーランド、オーストラリアなどに移入されている他、アルパカとラマの間には交雑種が出来ることが知られている。 ラクダ科の動物へ / このページの先頭へ |
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アルパカ