ラマ(リャマ)は南アメリカの標高2000~4000m程のアンデス地方で飼われている家畜で、主に荷物の運搬用に使われている。 インカ文明(3,000年かそれ以前)が栄えていた頃に野性のグアナコ(現在のグアナコとは別種)から家畜化されたと考えられていて、野生種はいない。 また、ラマはラクダ科に属しているが、アジアに分布しているラクダのようにコブはもっていない。 しかし、耳はかなり大きいが、耳の周りの毛やまつ毛が長く、荒れた高山での生活に適していて、ラクダのように反芻を行う。 反芻するときにも下あごを左右に動かすなど、ラマはアジアに分布するラクダとよく似ていて、別名アメリカラクダとも呼ばれている。 ラマは南アメリカに生息しているラクダの仲間ではもっとも体が大きく、体重が200kgを超えるものも見られる。 毛色は茶色、黒色、白色、まだら色などさまざまだが、体の大部分が密集した長い毛で覆われている。 また、ラマの前肢の内側には、グアナコと同様「たこ」が見られる。 高山地帯の草原やヤブ地などで群れで生活し、草類や木の葉、種子や根、コケ類などを食べる。 ラマは大切な使役動物で、現在でもアンデス地方では主要な輸送用動物として利用されている。 耐久力もあり、海抜4000m程の高地でも、自分の体重の30%程の重さの荷物を1日に25kmも運ぶことができると言われている。 酸素の薄いこのような高地で使役につくラマは特別な動物とも言えるが、ラマの肉は食用に利用されることもある。 また、毛は硬いので、近縁のアルパカやビクーナのように重宝されることはないが、毛は織物やロープ、皮下脂肪はローソクなどにも使われているほか、糞は燃料として利用されることがある。 ラマはおとなしい動物で人にもよく慣れるが、怒ると他のラクダの仲間のように胃の内容物を吐きかけることがある。 繁殖は11~5月頃に見られ、一夫多妻で、雄は複数の雌とハーレムをつくる。 妊娠期間は360日程で、ふつうは1産1子を出産する。 生まれたばかりの子どもの体重は10kg程で、4ヵ月程の授乳期間がある。 雌雄共に2~3年で性成熟し、飼育下での寿命は15~20年程度だが、中には25年を超えるものもいる。 また、ラマとアルパカとの間には交雑種が出来ることが知られている。 外敵はピューマやコヨーテなどが挙げられるが、ラマは北アメリカやヨーロッパなどにも移入されていて、オーストラリアでも広く移入されている。 ラクダ科の動物へ / このページの先頭へ |
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ラマ (アメリカラクダ)