ダマジカは別名をファロージカ (Fallow とは落ち葉のような淡褐色のこと) とも呼ばれ、雄の体高は1m程で、ホンシュウジカと同じくらいの大きさをしている。 角は雄だけにあって、長さは平均で50~70cm程だが、中には90cmを超えるものも見られる。 また、この角は他のシカ類の角とは違って、第3枝が手のひら状に大きく広がっていて、ヘラジカほどはないが大変見事なものである。 毛色は、夏と冬では異なり、夏には赤みを帯びた淡い灰色で白斑があり、冬には灰褐色で白斑は見られなくなる。 体は雄の方が大きく、大きい雄だと体長190cm、体重150kg程のものも見られる。 ダマジカは森の中の開けた場所や下草のあるところなどを好んで生息しているが、ヨーロッパに広く分布しているダマジカは移入されたもので、これらは半野生状態で生活していて、公園などでも飼育されている。 また、近年はアメリカ合衆国や南アメリカの一部、オーストラリアやニュージーランドなどにも人為的に移入されているが、元来の自然分布域は小アジアから地中海沿岸の南ヨーロッパや北アフリカと考えられている。 ダマジカは昼夜共に活動するが、夏の間などは早朝と夕暮れ時に採食し、日中などは森の中で反芻していることが多い。 草食性で、草や木の葉、木の芽などを食べるが、草類などが少なくなる秋と冬には、森の中で木の枝や樹皮、ブナの実などを食べる。 移入されたような半野生状態のダマジカは比較的大きな群れをつくるが、野生の状態では小さな群れで生活している。 外敵はオオカミなどだが、移入先にクマやピューマなどが生息している所では、これらにも襲われることがある。 走る速さは時速48km程度で、5m程の幅を跳ぶことができ、高さも1.5m程なら跳び越すことができる。 繁殖期以外の群れは、ふつう7~14頭程の雌や子ども、若い固体などから形成されている群れをつくり、雄は普段は単独で生活している。 しかし、夏の終わり頃には雄は雄同士の小さな群れをつくり、やがて繁殖期になると雌雄混合の群れをつくるようになる。 一夫多妻で、妊娠期間230~245日程で、ふつうは1産1子を出産する。 北半球での繁殖期は9~1月頃と幅があるが、出産は6月上旬に多く見られる。 生まれたばかりの子どもの体重は2~4kg程で、3週間ほどで離乳がはじまり、7ヵ月頃には完全に離乳する。 子どもは1年程で独立し、早ければ雄で17ヵ月、雌で16ヵ月程で繁殖可能になる。 野生での寿命は12~16年程度、飼育下では20~25年程度と言われている。 また、ダマジカにはしばしば白色のものが見られるが、右下の2枚の写真は白色形のシロダマジカ。 シカ科の動物へ / このページの先頭へ |
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ダマジカ (ファロージカ)