スーチョワンバーラル

スーチョワンバーラル (チュウゴクバーラル)さんのプロフィール


動物図鑑・スーチョワンバーラル

スーチョワンバーラル

偶蹄目・ウシ科
学 名 Pseudois nayaur szechuanensis
英 名 Chinese blue sheep / Szechuan Bharal
分布域 中国四川省・陜西省など
生息環境 主に山岳地帯
体 長 100~160cm 程度
尾 長 12~18cm 程度
体 重 32~60kg 程度

スーチョワンバーラルは中国四川省・陜西省などに分布しているバーラルの亜種で、小さな群れをつくって生活している。
チュウゴクバーラルとも呼ばれ、体は基亜種よりもやや小さく、毛色も少し暗い色をしている。
●分布域・生息環境
●大きさ・形態
●生態・生活
●繁殖・寿命
●保護状況・その他


スーチョワンバーラルの分布域・生息環境
スーチョワンバーラルは中国のチベット自治区から東は内モンゴル自治区の西部、南は雲南省にかけて広く分布している。
標高の高い山地などに生息していて、岩の多い斜面などで生活している。


スーチョワンバーラルの大きさ・形態
スーチョワンバーラルの体重は、大きいものでは60kgを超えるが、概ね32~53kg程で、体は基亜種よりも小さい。
雄の方が雌よりもひと回りほど体が大きいが、角も基亜種よりは小さい。

角の長さは42~67cm程だが、成獣の雄の角は横に張り出したように伸び、基部も太くて立派に見える。
また、雌では短く、ほぼ真っすぐに伸びている。

毛色は、冬の背側は青みを帯びたような灰色で、夏には茶褐色や灰褐色、暗褐色などをしている。
腹側は白っぽいが、基亜種に比べると全体にやや暗い色をしている。


スーチョワンバーラルの生態・生活

スーチョワンバーラルは基亜種と同様、標高の高い山岳地帯に生息している。

標高3000~5000m辺りまで生息していて、岩場のある斜面などに多く見られることから、中国名では「岩羊」と呼ばれている。

生活の様子や食性なども同じで、日中に活動し、夏期には10頭、多ければ50頭程の群れをつくって生活している。

主に草類を採食するが、餌の少ない時期にはハーブや樹皮、低木なども食べる。
また、秋になると、1頭の雄を中心とした少数の群れになり、標高の低いところに降りてくる。

毛色は岩肌の色によく似ていて、保護色の役目を果たしているのも同じで、ユキヒョウゴールデンキャットなどの外敵に気づくと、周囲の景色に溶け込むようにして、動かずにじっとしている。

しかし、スーチョワンバーラルも跳躍力にも優れ、相手が迫ると険しい岩場を敏捷に駆け上がり、外敵も近づけないようなところに逃げてしまう。


スーチョワンバーラルの繁殖・寿命

雌の妊娠期間や産子数なども基亜種と同じで、雌は妊娠期間4~5ヶ月程で、1産1~2子を出産する。

詳しい寿命は分かっていないが、野生下での寿命は10~15年、飼育下でも15年程度と言われている。


スーチョワンバーラルの保護状況・その他

バーラルは分布域も広く、現在のところ絶滅の恐れはないとされている。
スーチョワンバーラルも狩猟の対象になっているが、個体数は安定していると考えられている。

しかし、狩猟のほか、家畜の放牧地の拡大なども加わり、今後の生息数の減少などが心配されている。

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