スーチョワンバーラルは中国四川省・陜西省などに分布しているバーラルの亜種で、小さな群れをつくって生活している。 チュウゴクバーラルとも呼ばれ、体は基亜種よりもやや小さく、毛色も少し暗い色をしている。
スーチョワンバーラルの分布域・生息環境 スーチョワンバーラルは中国のチベット自治区から東は内モンゴル自治区の西部、南は雲南省にかけて広く分布している。 標高の高い山地などに生息していて、岩の多い斜面などで生活している。 スーチョワンバーラルの大きさ・形態 スーチョワンバーラルの体重は、大きいものでは60kgを超えるが、概ね32~53kg程で、体は基亜種よりも小さい。 雄の方が雌よりもひと回りほど体が大きいが、角も基亜種よりは小さい。 角の長さは42~67cm程だが、成獣の雄の角は横に張り出したように伸び、基部も太くて立派に見える。 また、雌では短く、ほぼ真っすぐに伸びている。 毛色は、冬の背側は青みを帯びたような灰色で、夏には茶褐色や灰褐色、暗褐色などをしている。 腹側は白っぽいが、基亜種に比べると全体にやや暗い色をしている。 スーチョワンバーラルの生態・生活 スーチョワンバーラルは基亜種と同様、標高の高い山岳地帯に生息している。 標高3000~5000m辺りまで生息していて、岩場のある斜面などに多く見られることから、中国名では「岩羊」と呼ばれている。 生活の様子や食性なども同じで、日中に活動し、夏期には10頭、多ければ50頭程の群れをつくって生活している。 主に草類を採食するが、餌の少ない時期にはハーブや樹皮、低木なども食べる。 また、秋になると、1頭の雄を中心とした少数の群れになり、標高の低いところに降りてくる。 毛色は岩肌の色によく似ていて、保護色の役目を果たしているのも同じで、ユキヒョウやゴールデンキャットなどの外敵に気づくと、周囲の景色に溶け込むようにして、動かずにじっとしている。 しかし、スーチョワンバーラルも跳躍力にも優れ、相手が迫ると険しい岩場を敏捷に駆け上がり、外敵も近づけないようなところに逃げてしまう。 スーチョワンバーラルの繁殖・寿命 雌の妊娠期間や産子数なども基亜種と同じで、雌は妊娠期間4~5ヶ月程で、1産1~2子を出産する。 詳しい寿命は分かっていないが、野生下での寿命は10~15年、飼育下でも15年程度と言われている。 スーチョワンバーラルの保護状況・その他 バーラルは分布域も広く、現在のところ絶滅の恐れはないとされている。 スーチョワンバーラルも狩猟の対象になっているが、個体数は安定していると考えられている。 しかし、狩猟のほか、家畜の放牧地の拡大なども加わり、今後の生息数の減少などが心配されている。 |
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