アジアやアフリカに分布している野生のロバ(ノロバ)は、家畜として使われているロバの原種だと考えられているが、ソマリノロバはアフリカ北東部のソマリアやエチオピア、エリトリアなどに分布している。 平均した体高は120cm程度で、野生の馬の中ではもっとも体が小さいと言われているが、大きいものでは体高150cm、体重は270kgを超える。 体色は赤みを帯びたような灰色で、口まわりや腹部は白っぽい。 耳は長く、タテガミははっきりと認められるが、アフリカ産のノロバには背中と肩に交わる一本の暗い筋があるが、ソマリノロバでははっきりとしない。 しかし、ソマリノロバの四肢にはシマウマのような特徴的な黒い縞が見られる。 また、ふつうは背中の中央に暗い線が見られ、この線は尾の先まで続いている。 ソマリノロバは、半砂漠地帯や乾燥した草原地域などに生息し、雌は、その子どもたちからなる小さな家族単位で生活しているが、成熟した雄は、しばしば単独で生活している。 しかし、水や食べ物が豊富になる雨季には、群れ同士や雄が集まって、一時的に大きな群れをつくることもある。 昼間に活動し、主に草類を食べるが、日中の間は暑さを避けて、岩陰や木陰などで休んでいて、早朝や夕方などの涼しい時間帯に採餌する。 水はほかのウマほど必要としないが、水があれば毎日飲む。 また、水辺から遠く離れることはなく、せいぜい30km程度までの距離に留まり、2~3日に一度は水を飲む。 雄の行動範囲は23平方km程度と言われていて、行動範囲内には糞などて臭いを付けて、縄張りを主張している。 聴覚や視覚は鋭いが走るのも速く、危険を感じると、長い距離を時速50km程で走ることができる。 雌の妊娠期間は11~12ヶ月で、ふつう1産1子を出産する。 生まれたばかりの子どもの体重は23~27kg程で、出生後数時間ほどで母親と一緒に歩くことができる。 生後数日で草を食べるようになるが、1年程の間は授乳期間があり、雄は2年程度、雌は2~4年程で性成熟する。 飼育下での寿命は20年を超え、長いものでは40年ほどの寿命があると言われている。 ソマリノロバは北アフリカの洞窟の壁画などにも描かれていて、かつては生息数も多く、身近な動物であったと言われているが、近年では生息地の開発や破壊、内戦などで、固体数は極めて減少している。 現在、ソマリノロバは国際自然保護連合(IUCN)の保存状況評価によって、野生での絶滅の危険性が非常に高い絶滅危惧種(CR)としてレッドリストに指定されているが、更なる生息数の減少も懸念されている。 尚、アフリカにはヌビアノロバ(Nubian wild ass・Equus africanus africanus)も分布しているとされているが、既に絶滅しているとも考えられている。 ウマ科の動物へ / このページの先頭へ |
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ソマリノロバ