動物図鑑・アンゴラコロブス

アンゴラコロブス

アンゴラコロブス さんのプロフィール


動物図鑑・アンゴラコロブス
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和 名 アンゴラコロブス
分 類 霊長目・オナガザル科
学 名 Colobus angolensis
英 名 Angola colobus / Angolan colobus / Angolan black-and-white colobus
分布域 コンゴ民主共和国やアンゴラ、タンザニアなど
生息環境 森林やサバンナ地帯など
体 長 50~70cm 程度
尾 長 70~80cm 程度
体 重 6~12kg (雄で10kg、雌で8kg) 程度
IUCNによる保存状況評価 / 絶滅危惧種 (VU)
アンゴラコロブスは、コンゴ盆地に分布しているオナガザル科のサルで、コロブスの中ではもっとも南に分布している。
木の葉を主食とするリーフイーターと呼ばれる仲間で、ほとんど樹上生活をしている。
●分布域・生息環境
●大きさ・特徴
●生態・生活
●繁殖・寿命
●保護状況・その他


アンゴラコロブスの分布域・生息環境
アンゴラコロブスはナイジェリア東部からカメルーン、ガボン東部やコンゴ共和国を経て、コンゴ民主共和国からアンゴラ北東部やブルンジ、ウガンダ南東部などに分布している。

ケニア南東部とタンザニア西部などの山岳地域にも分布していて、低地から山地にかけての様々な森林地帯に生息している。


アンゴラコロブスの大きさ・特徴

アンゴラコロブスは体長50~70cm程だが、雄の平均体重は10kg、雌は8kg程で、体は雄の方が大きい。

毛色は、雌雄ともにアビシニアコロブス(クロシロコロブス)のように白と黒にはっきりと分かれているのが特徴になっている。

顔を含めて体は全体に黒いが、顔の周りは白く、肩にも白くて長い毛が生えているのも特徴で、時には胸にも白い毛が見られる。

尾は体長と同じほどかやや長く、黒色か白色をしているが、尾の先は常に白色をしている。

一見するとアビシニアコロブスに似ているが、アンゴラコロブスの頬の上の白い毛は長く伸びているほか、ふつうはアビシニアコロブスのように背中までは白い毛が見られない。

しかし、前肢の親指はないか、あっても退化してイボ状になっていることや、ニホンザルのように、食べ物を一時保管しておくことができる頬袋をもっていないことなどは同じで、高地に生息しているものは、低地のものよりも体毛が厚く、長い毛をもっている。

また、白と黒にはっきりと分かれた毛色は目立つようだが、これは体の輪郭を分割するのに役立っていて、捕食者が見つけることが困難になっている。


アンゴラコロブスの生態・生活

アンゴラコロブスは低地から高地の熱帯雨林などに生息しているが、二次林やサバンナ、竹林など、さまざまな環境で見られる。

湿地帯にも生息していて、ケニアでは標高2500mを超えるところにも見られ、標高3000mの高地でも観察されている。

ほとんど樹上生活をしていて、多くは1頭の雄と2~6頭程の雌、その子どもたちで生活している。
大きいものでは25頭程の群れも見られるが、その場合は複数の雄が含まれていることが多い。

アンゴラコロブスは昼間に活動するが、日中は休んでいることが多く、朝夕に活発に活動する。

跳躍力に優れていて、樹上でも敏捷に動きまわり、採餌も樹上で行われる。

食事の中心は木の葉類で、果実や木の実、種子、花などのほか、昆虫なども食べるが、木の葉類は全体の3分の2を占めると言われている。

この為、アンゴラコロブスはルトンの仲間などと共にリーフイーターと呼ばれているが、胃は複数室に別れていて、前方の胃でセルロースの消化酵素が出され、木の葉を消化するのに都合のいいつくりになっている。

また、多くの地域でエノキの若葉を好むと言われているほか、アンゴラコロブスはシロアリ塚の粘土を食べることも知られている。

樹冠部の高い場所にいることが多いが、水を飲むときや草本植物を食べるときにも地面に降りてくることもある。

外敵はヒョウなどの他、ワシなどの猛禽類で、リーダーとなる雄は、群れの仲間が逃げるまで大きな声をあげ、木の枝をゆすったり跳び上がったりして威嚇する。


アンゴラコロブスの繁殖・寿命

アンゴラコロブスには決まった繁殖期が見られず、繁殖は一夫多妻で行われる。
繁殖は群れの中の優位な雄によって行われ、雌は妊娠期間147~178日程で、1産1~2子、ふつうは1子を出産する。

生まれたばかりの子どもは全身白色をしているが、生後3ヵ月頃から親のような毛色に変化をはじめる。
また、育児は他の群れの仲間によっても行われ、子どもは15ヵ月程で離乳するようになる。

早ければ雌は2年、雄は4年程で性成熟するとされているが、雄はこの頃には群れを離れていく。

野生下での寿命は20年、飼育下では30年程度と言われている。

加えて、コロブスの仲間は雌が求愛行動を起こすのが普通だが、アンゴラコロブスの雌にも繁殖の準備ができていることを雄に伝えるプレゼンテーションと呼ばれる行動が観察されている。


アンゴラコロブスの保護状況・その他

アンゴラコロブスは広範囲に分布しているが、近年は生息数が減少している。

名前は、分布域にある「アンゴラ共和国」に因んで付けられているが、現在、アンゴラでは非常に少なくなっていて、ケニアのものも生息数が激減していると言われている。

主な原因は開発などによる生息地の減少で、食料や美しい毛皮を目的とした狩猟も大きな原因になっている。

国際自然保護連合(IUCN)では絶滅危惧種(VU)に指定しているが、生息地は減少と共に分分化されていて、更なる生息数の減少が心配されている。

この他、アンゴラコロブスには生息域によって次の6亜種が知られているが、 タンザニア西部にも1亜種がいるとも考えられている。

・Colobus angolensis angolensis (Sclater's Angola colobus)
・C.a. cottoni (Powell-Cotton's Angola colobus)
・C.a. ruwenzorii (Adolf Friedrichs's Angola colobus / Ruwenzori black-and-white colobus)
・C.a. cordieri (Cordier's Angola colobus)
・C.a. prigoginei (Prigogine's Angola colobus)
・C.a. palliatus (Peters's Angola colobus / Tanzanian black-and-white colobus)

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