シルバールトンはマレーシア西部やインドネシアのスマトラ島、ボルネオ島、その近隣の島嶼部などに分布するオナガザル科のサルで、以前はクロシロコロブスなどと共に独立したゲレザ科として扱われていた。 毛色は茶色や灰色、茶色がかった灰色、黒色などと変化があるが、これらの色に関係なく灰白色の毛があり、全体に銀灰色の印象を受けることから名前が付けられている。 また、成獣の毛色はくすんだような銀灰色に見えるが、生まれたばかり子どもは鮮やかな金色をしている。 主に内陸の深い森林地帯などに生息しているが、マングローブのある湿地帯や海岸沿いの林など、地域によって多少異なっていて、農園などにも姿を見せる。 昼間に活動するが、シルバールトンはダスキールトンなどと同じリーフイーター(木の葉を主食とするサル)と呼ばれるサルの仲間で、森林の樹間を移動しながら木の葉や果実、樹皮などを食べている。 1頭の雄と複数の雌、それに子どもを含む10頭~20頭の群れで生活していて、樹上性が強く、地上に降りることはあまりない。 尾は体長よりも長く、樹上でバランスをとるのに役立っていて、樹間を敏捷に移動することが出来る。 決まった繁殖期はないが、出産は12~5月頃に多く見られる。 妊娠期間は6~7ヵ月程で、ふつうは1産1子を出産する。 生まれたばかりの子どもは体長20cm、体重400g程度で、毛色は鮮やかな金色をしている。 生後3ヵ月頃から親と同じような銀白色になり、1年から1年半程は授乳される。 雌雄共に4~5年で性成熟し、飼育下での寿命は20~25年と言われているが、30年を超えたものも報告されている。 外敵はヒョウやウンピョウ、トラ、ドール、大型のヘビなどが挙げられるが、子どもはビントロングなどに襲われることもあると言われている。 また、シルバールトンはインドシナ半島からマレー半島、インドネシアのジャワ島などにも分布すると言われているが、近年は森林地帯の開発や破壊などによって生息数は減少している。 現在、シルバールトンは国際自然保護連合(IUCN)の保存状況評価によって、準絶滅危惧種(NT)としてレッドリストに指定されているが、生息域が重なっているカニクイザルとの競合などもあり、更なる個体数の減少も心配されている。 オナガザル科の動物へ / このページの先頭へ |
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シルバールトン