ダスキールトンはマレー半島に分布する大型のサルで、ミャンマー南部やタイの南西部、マレーシアなどの森林地帯に生息している。 毛色は亜種によって変化があるが、暗灰色や褐色を帯びたような灰色、茶色などをしている。 四肢の先と顔は黒っぽいが、目のまわりが白いのが特徴で、別名を「シロマブタザル」とも呼ばれている。 また、シルバールトンなどのルトンの仲間には冠毛があるものとないものがいるが、ダスキールトンには冠毛が見られない。 雄の方が体が大きく、平均すると雄で7.4kg、雌で6.5kg程の体重がある。 低地から1,800m程の山地の熱帯雨林や人の手が入った森林などもに生息しているが、めったに木から降りることはない。 樹上では枝から枝へと敏捷に移動するが、尾は体長よりも長く、樹上でのバランスを取るのに役立っている。 普通は1~3頭程の雄と、複数の雌とその子どもたちからなる群れをつくり、10~20頭ほどで樹上生活をしている。 昼間に活動し、早朝や夕方には特に活発に動き回り、夜は樹冠付近の高いところで休む。 ダスキールトンはフランソワルトン、ハヌマンラングールなど共に「リーフ・イーター」と呼ばれるサルの仲間で、主に木の葉や若芽、花などを食べる。 果実なども食べるが、あまり栄養価の高くない木の葉などを主食としている為、胃は大きく、数室に分かれている。 行動範囲は食糧事情などによって大きく変わるが、マレー半島では平均で0.05~0.12k㎡程度と考えられていて、さまざまな鳴き声によってコミュニケーションをとっている。 野生での詳しい繁殖の様子などは分かっていないが、特定の繁殖期は見られない。 一夫多妻と考えられていて、妊娠期間145日前後で、1産1~2子、普通は1子を出産する。 雌雄共に3~4年で性成熟し、飼育下での寿命は15~20年程度と言われているが、30年を超えたものも知られている。 また、生まれたばかりのダスキールトンの子どもは全身がオレンジ色でピンク色の顔をしているが、半年ほどで灰色になり、成長するに従って親と同じようになる。 樹上の高いところで生活しているので多くの外敵はいないとされているが、大型のヘビや猛禽類などに襲われることがあると考えられている。 近年では森林地帯の開発や破壊などで生息地が減少しており、ダスキールトンの個体数も減ってきている。 現在は国際自然保護連合(IUCN)の保存状況評価によって、準絶滅危惧種(NT)としてレッドリストに指定されているが、更なる生息数の減少が心配されている。 尚、ダスキールトンは以前はゲレザ科として分類されていたが、現在はオナガザル科として扱われている。 オナガザル科の動物へ / このページの先頭へ |
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ダスキールトン (シロマブタザル)