動物図鑑・ダスキールトン

ダスキールトン

ダスキールトン さんのプロフィール


動物図鑑・ダスキールトン
動物図鑑・ダスキールトン 1動物図鑑・ダスキールトン 2
和 名 ダスキールトン
分 類 霊長目・オナガザル科
学 名 Trachypithecus obscurus / Presbytis obscurus
英 名 Dusky (or spectacled) leaf monkey
分布域 マレー半島など
生息環境 主に森林地帯
体 長 48~68cm 程度
尾 長 50~85cm 程度
体 重 5~9kg 程度
IUCNによる保存状況評価 / 絶滅危惧種 (EN)
ダスキールトンはマレー半島などで見られるオナガザル科のサルで、深い森林地帯に生息している。
木の葉を食べる「リーフイーター」と呼ばれる仲間で、「ダスキーリーフモンキー」とも呼ばれている。

●分布域・生息環境
●大きさ・特徴
●生態・生活
●繁殖・寿命
●保護状況・その他


ダスキールトンの分布域・生息環境
ダスキールトンはマレー半島に分布する大型のサルで、ミャンマー南部やタイの南西部、マレーシアなどに分布している。
森林地帯に生息していて、背の高い樹木が生い茂るような深い森林地帯に生息している。


ダスキールトンの大きさ・特徴

ダスキールトンは体長45~68cm、平均した体重は雄で7.5kg、雌で6.5kg程で、体は雄の方が少し大きい。

毛色は亜種によって変化があり、暗灰色や茶色、灰褐色や黒色などをしている。
四肢の先と顔は黒っぽいが、ダスキールトンは目のまわりが白いのが特徴で、別名・「シロマブタザル」とも呼ばれている。

また、シルバールトンなどのルトンの仲間には冠毛があるものとないものがいるが、ダスキールトンには冠毛が見られない。

尾は体長よりも長く、毛が生えているが、中には毛が生えていないものも見られ、毛の長さや尾の長さにも変化がある。

また、長い尾は樹上でのバランスをとるなどの役目をしているが、物に巻き付けたりすることはできない。


ダスキールトンの生態・生活

ダスキールトンは、低地から山地の熱帯雨林に生息していて、標高1800m程の高地でも見られる。
一般には深い原生林に生息しているが、人の手が入った二次林などもに生息している。

普通は1~3頭程の雄と、複数の雌とその子どもたちからなる群れをつくって生活している。
群れの多くは10~20頭ほどだが、ダスキールトンの群れの間の仲はよく、争いが起こっても激しいものにはならず、すぐに治まることが観察されている。

昼間に活動し、早朝や夕方には特に活発に動き回り、夜は樹冠付近の高いところで休む。

ほとんど樹上生活をしていて、水を飲む時のほかは、滅多に地上に降りてくることはない。
樹上では枝から枝へと敏捷に移動するが、長い尾は樹上でのバランスを取るのに役立っている。

ダスキールトンはフランソワルトンハヌマンラングールなどと共に「リーフイーター」と呼ばれるサルの仲間で、木の葉や若芽、花などを主食にしている。

その食性から「ダスキーリーフモンキー」とも呼ばれるが、あまり栄養価の高くない木の葉などを主食としている為、胃は大きくて数室に分かれている。
また、果実なども食べるほか、一部の昆虫類を食べることもある。

行動範囲は食糧事情などによって大きく変わるが、マレー半島では平均で0.05~0.12平方km程度と考えられている。

群れの仲間はさまざまな鳴き声によってコミュニケーションをとっているが、行動範囲は縄張りにも結び付いていて、他の群れなど対しては警戒音のような声を発し、縄張りを主張すると言われている。

ダスキールトンは、樹上の高いところで生活しているので外敵は多くないとされているが、大型のヘビや猛禽類などに襲われることがあると考えられている。
一方、食用としての密猟が行われていて、人が一番の外敵とも言われている。


ダスキールトンの繁殖・寿命

野生での詳しい繁殖の様子などは分かっていないが、ダスキールトンには特定の繁殖期は見られず、1年を通して繁殖すると言われている。

また、繁殖は一夫多妻と考えられていて、雌は妊娠期間145日前後で、1産1~2子、普通は1子を出産する。

生まれたばかりの子どもは全身がオレンジ色でピンク色の顔をしているが、半年ほどで灰色になり、成長するに従って親と同じようになる。

雌雄共に3~4年で性成熟し、飼育下での寿命は15~20年程度と言われているが、30年を超えたものも知られている。
一方、野生下での寿命は分かっていないが、ふちうは飼育下での寿命よりも短くなる。


ダスキールトンの保護状況・その他

ダスキールトンは、近年の森林地帯の開発や樹木の伐採などで生息地が減少していて、個体数も減ってきている。

以前は、国際自然保護連合(IUCN)の保存状況評価によって、準絶滅危惧種(NT)としてレッドリストに指定されていたが、個体数の減少は止まず、現在では絶滅危惧種(EN)に指定される状況になってしまっている。

しかし、農地拡大に伴い、ダスキールトンがゴム農園で葉を食べたりすることから、害獣として駆除されることもあり、番犬としての犬の群れがダスキールトンを襲うことも報告されていて、更なる個体数の減少が心配されている。

尚、ダスキールトンには次の亜種が認識されている。

T. o. obscurus
T. o. carbo
T. o. flavicauda
T. o. halonifer
T. o. sanctorum
T. o. seimundi
T. o. styx

また、ダスキールトンは以前は独立したゲレザ科として分類されていたが、現在はオナガザル科として扱われている。

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