フランソワルトンはラオス中部からベトナム北部、中国南部にかけての密林地帯に分布していて、フランソワラングールなどとも呼ばれている。 体は雄の方が大きく、体長よりも長い尾をもっている。 頬袋はなく、毛色は全身が黒色をしているが、頬から耳にかけての毛は白く、ひげを生やしたように見える。 また、ルトンの仲間には冠毛があるものと、ダスキールトンのように冠毛がないものがいるが、フランソワルトンには冠毛があり、頭頂の毛が逆立っている。 主に河川に面した石灰岩の山地や、険しい岩山の熱帯林などに生息していて、ほとんど樹上生活をしている。 昼間に活動し、ふつうは1頭の雄と複数の雌からなる3~10頭程度の群れで生活していて、多くの時間を採食に費やしているが、夜は岩棚や洞窟などで休む。 日々の採食・活動エリアはそれ程広くなく、平均すると1.5k㎡程度の範囲の中を、1日に1kmほど移動するが、一年を通すと、フランソワルトンは広い行動範囲をもっていて、水や食料となる植物の季節変化によって、広い範囲の中を移動する。 巣穴となる洞窟もこの範囲の中に幾つかもっていて、移動と共に使い分けられている。 また、フランソワルトンは、ダスキールトンやハヌマンラングールなどと共に、「リーフ・イーター」と呼ばれるサルの仲間で、木の葉などを主食としている。 この為、胃は3室に分かれていて、消化器官は草食獣に似ているが、木の葉のほか、果実や花、昆虫なども食べる。 一夫多妻で、繁殖は一年を通して見られるが、多くは秋から冬にかけて見られる。 妊娠期間は6~7ヶ月で、1産1~2子、普通は1子を出産する。 生まれたばかりの子どもの体重は450~500g程で、全身オレンジ色をしているが、成長するにつれて親のように黒くなっていく。 雌雄共に4~5年程で完全に性成熟し、飼育下での寿命は20年程度と言われているが、25年を超えたものも知られている。 外敵はウンピョウなどが挙げられるが、ワシなどの猛禽類に襲われることの方が多く、特に幼獣は狙われやすい。 また、フランソワルトンは伝統的な薬とされていて、密猟などが行われているほか、近年は森林の開発などによって生息地が減少したり分断されたりしていて、生息数は激減している。 現在、生息数は2,500頭以下とも言われていて、フランソワルトンは国際自然保護連合(IUCN)の保存状況評価によって、絶滅危惧種(EN)としてレッドリストに指定されているが、更なる保護も求められている。 尚、フランソワルトンは以前はゲレザ科に分類されていたが、現在はオナガザル科として扱われている。 オナガザル科の動物へ / このページの先頭へ |
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フランソワルトン