スマトラトラは最も南に分布しているトラの仲間で、インドネシアのスマトラ島の熱帯モンスーン林などに生息している。 体は雄の方が少し大きいが、スマトラトラは大きなヒョウやジャガー程の大きさで、トラの中では最も体が小さい。 北方に生息しているアムールトラの雄が体長250~300cm、体重が300kg程にもなるのに対して、スマトラトラの雄は体長が180cm、体重は150kg程度とかなり小さい。 体色は黄色みがかった赤褐色をしていて、全体に暗くてくすんだ感じがする。 腹部や四肢の内側、目の上、頬などは白っぽい。 耳の裏側は黒く、トラに見られる白い斑紋があるが、スマトラトラの体にある黒い縞の数はほかのトラに比べて数が多くて幅広い。 また、肩より後の縞は2本ずつの束になっていて、雄の頬や首筋の毛は長く伸びる特徴がある。 群れをつくることはなく、普段はほかのトラと同様、単独で生活している。 雌雄共に森林内に広大な縄張りをもって生活しているが、沿岸の低地林から標高2500m程の高地にも姿を見せる。 また、縄張りは雄同士では重なることはないが、雄と雌では重なり合うことがあり、時には雌同士でも重なり合うことがある。 肉食性でシカやイノシシ、サルなどのほか、クジャクなどの鳥類や魚、昆虫など、他のトラの仲間と同様、何でも食べる。 しかし、スマトラトラは他のネコ科のように水を嫌わず、泳ぐのも巧みで、時々木に上ることもある。 決まった繁殖期は見られないが、多くは11~4月の間に見られる。 妊娠期間は3~4ヵ月程で、雌は1産1~5子、普通は2~3子を出産する。 生まれたばかりの子どもの体重は1~1.5kg程で、目は閉じているが、数日の後には開くようになる。 6~8週間ほどは母乳で育てられ、その後は肉類も食べるようになる。 生後4ヵ月頃から親と一緒に狩りの練習をはじめるようになり、1年半頃までには自分で狩りを行えるようになる。 2~3年程は親と一緒に生活しているが、その後は独立し、雌は3~4年、雄は4~5年で完全に性成熟する。 寿命は飼育下で20年程度と言われているが、野生下ではそれよりも短く、15年程度と考えられている。 以前は毛皮を目的とした乱獲が行われていた他、近年では森林の開発や破壊などによる生息地の減少なども加わり、スマトラトラの生息数は激減している。 現在では国際自然保護連合(IUCN)の保存状況評価によって、絶滅危惧種(CR)としてレッドリストに指定され国際的に保護されているが、生息域も分断されていて、更なる個体数の減少も懸念されている。 ネコ科の動物へ / このページの先頭へ |
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スマトラトラ