トラはライオンと共にネコ科で最も大きい動物で、中央アジアからイラン、インド、中国、インドシナ、スマトラ、ジャワと、広範囲にわたって分布している。 生息環境も寒帯から熱帯にまで及んでいるが、ライオンがサバンナのような開けた土地に生息しているのに対して、トラの仲間は森林や背の高い草が茂ったヤブなどに好んで生息している。 大きさは生息地によって差異があるが、ライオンに比べて胴が長く、足はやや短い。 毛色は特徴的で、黄褐色や赤みがかった黄色の地に黒い縞がある。 体はがっしりとしていて、四肢の爪は大きく強力で、力も強い。 耳は小さくて丸く、裏側は黒い。 また、耳の裏側には白い斑点が見られる。 尾は長くて、体長の半分ほどもあり、黄褐色の地に黒いリングがある。 また、トラの頬のまわりの毛はほかよりも長く、雄ではよりはっきりと認められる。 繁殖期以外は単独で生活し、主として夜行性であるが、昼間も活動する。 また、それぞれに広いテリトリーをもち、木につけた爪あとや尿によって縄張りを主張する習性がある。 肉食性で、イノシシやシカ類の他、サルや鳥類、ワニなどの爬虫類やカエルなどの両生類、更に魚類から昆虫まで、トラはあらゆるものを捕食する。 しかし、トラはライオンのように群れで獲物を倒すこともなく、長い距離を追いかけるようなこともない。 出来る限り相手に忍び寄り、飛び掛って喉に噛み付いたり、前足で叩いて骨を砕いたりする。 また、トラはきわめて力が強いので、ゾウやサイの子ども、ガウルなどのウシの他、北方のものはヒグマさえも倒すといわれている。 跳躍力にも優れているが、トラは泳ぎもうまい。 特定の繁殖期は見られないが、北方に分布しているものは冬に繁殖が行われる。 平均して1産2~4子で、野生での寿命は15年程度。 飼育下では20~25年程度と言われている。 トラにはいくつかの亜種があり、最大のものはシベリア地方に生息しているアムールトラ (別名シベリアトラ/P. t. altaica) で、体長は雄で270~330cm、体重は180~300kg程度。 最小のものはスマトラに生息しているスマトラトラ (P. t. sumatrae) で、雄で体長220~270cm、体重は100~150kg程度である。 また、インド辺りに分布しているベンガルトラ(P.t. tigris)には、時として白変種のホワイトタイガーが生まれることがある。 しかし、いずれのトラの仲間も乱獲や森林などの生息地の破壊によって、その数は激減している。 現在、トラの仲間は国際自然保護連合(IUCN)の保存状況評価によって、レッドリストに絶滅危惧種として指定されている。 写真右下は白変種のホワイトタイガー、その上は普通の毛色をしたベンガルトラ。 その他はいずれもアムールトラ。 ネコ科の動物へ / このページの先頭へ |
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トラ