ベンガルトラはトラの仲間の中では大型で、大きな雄では体長が3.2m、体重は260kg程のものも知られている。 インドやネパール、ブータンやバングラデシュなどに分布し、体は黄褐色やオレンジ色を帯びた茶色などで、腹部は白い。 トラに見られる黒い縞は腹部にもあるが、縞の数は比較的少なく、肩や胸などにほとんど縞が見られないものもいる。 また、夏毛・冬毛ともに短いが、頬から首の毛が長いものが多く、首では6cm程、頬では8cm程度の長さのものも見られる。 主に森林地帯に生息しているが、湿地帯の草原や川の近くの草むらや藪などにも生息している。 また、ヒマラヤ地方のものは2,000mの高地にも生息しているほか、3,000mを超えるところにも姿を見せることがある。 子どもを育てている母親以外は、ふつうは単独で生活し、昼間は茂みの中や岩穴などに潜んでいることが多い。 主に夜になると活発に活動をはじめ、アクシスジカやイノシシなどのほか、ヤマアラシや爬虫類、魚など、何でも捕らえる。 力はかなり強く、重さが180kg程のウシを引きずっていくこともできるほか、ガウルやスイギュウ、ツキノワグマなども倒してしまう。 また、時には人家近くに現れ、ウシやウマ、ラクダなどの家畜を襲うこともある。 行動範囲は地域や季節などによって変化があるが、ベンガルトラはかなり広い行動範囲をもっている。 特に雄の行動範囲は広く、その行動範囲の中には、複数の雌の行動範囲が含まれている。 インドのパンナ保護区の雄では、夏には200k㎡程の範囲を獲物を捜して歩きまわり、冬では100k㎡程の行動範囲をもっていると言われている。 体が大きいこともあり、木に登ることはほとんどないが、ベンガルトラは泳ぎはたいへんうまい。 川が移動の妨げになるようなことはなく、川幅のある河川でも簡単に泳ぎ渡ってしまう。 このほか、ベンガルトラの中には、目が青い白色変種のホワイトタイガーが生まれることがある。 ホワイトタイガーはベンガルトラと同じ種で、全身は白いが、普通は黒い縞が残っている。 しかし、縞がなく全身真っ白のホワイトタイガーも稀に見られる。 (写真右下は、白色変種のホワイトタイガー) 決った繁殖期や交配の形態は見られないが、子どもの多くは12月と4月頃に生まれている。 巣は岩穴や倒木の下などの窪みにつくり、子どもは雌が育てる。 妊娠期間は104~106日程で、雌は1産1~4子、普通は2~3子を出産する。 生まれたばかりの子どもの体重は780~1600g程で、目は閉じている。 生後1~2週間ほどで目が開き、3ヶ月を過ぎる頃には離乳する。 5~6ヵ月程で親と一緒に狩をはじめ、早ければ1年半程で独立する。 雌は3~4年、雄は4~5年程で性成熟し、平均寿命は飼育下のもので16~18年程度と言われている。 中には25年を超えるものも知られているが、野性のものはこれよりも短く、長いもので15年、平均すると8~10年と考えられている。 近年の森林開発などによってトラの仲間はかなり減少しているが、ベンガルトラの生息数もかなり減少している。 現在、ベンガルトラは国際自然保護連合(IUCN)の保存状況評価によって、レッドリストに絶滅危惧種(EN)として指定されているが、更なる個体数の減少も懸念されている。 ネコ科の動物へ / このページの先頭へ |
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ベンガルトラ