アクシスジカ (アキシスジカ) は、インドやスリランカ、ネパール、ブータンなどの草原や森林地帯ではよく見られるシカで、体はニホンジカと同じくらいの大きさをしている。 分布域では「チタール(chital)」や「チータル(cheetal)」などと呼ばれていて、英名でも、その様に呼ばれることがある。 毛色は赤褐色で、体全体には白い斑点が散らばっている。 成獣の雄の毛色は雌よりも暗い色をしているが、雌雄共にこの白斑は一年を通して消えることはなく、シカの中ではもっとも美しいと言われている。 また、のどから首にかけてと腹部などは白っぽく、角は雄だけがもっている。 角の長さは70~80cm、中には90cmを超えるものもあるが、角の第1枝は付け根から分かれていて、第2枝は上方で分かれている。 この角は毎年生え変わるが、落ちる時期は一定していない。 アクシスジカは主に開けた草原地帯に生息しているが、群居性がある為か、標高の高い山地などでは見られない。 深い森林地帯などでも見られないが、生息地としている草原の周辺には、栄養の豊富な落ち葉や果実が提供される森林地帯が隣接している。 また、視界の開けた草原での生活は、外敵の隠れる場所をなくし、危険に対して素早い対応が出来るとも言われている。 一年中大きな群れをつくって生活し、ふつうは10~50頭程度の群れをなしているが、その数は時に数百頭にもなることがあると言われている。 主に草や木の葉、果実などを食べるが、草が少なくなる季節にはハヌマンラングールの群れなどと行動を一緒にしていることも多く、彼らが樹上から落とす小枝についた葉や木の実なども食べる。 また、水は毎日飲むと言われていて、水源のないようなところでは見られないとも言われている。 アクシスジカは性質がおとなしく、雄同士が争う時なども、体や角の大きさで決まることが多く、滅多に角を合わせて戦うことはしない。 外敵はトラやヒョウ、ドールやオオカミなどだが、危険が迫ると互いに知らせあって身を守るが、アクシスジカの駆ける速さは時速65km程にもなる。 決まった繁殖期は見られないが、多くは4~5月頃に多く見られる。 妊娠期間7ヵ月半程で、雌は1産1~3子、ふつうは1子を出産する。 生まれたばかりの子どもの体重は3kg程で、4~6ヵ月程の離乳期間がある。 雌は14~17ヵ月程度、雄は30ヵ月程度で生成熟し、寿命は野生下で8~14年程度、飼育下では15~20年程度と言われている。 アクシスジカは、かつては食料などを目的とした狩猟などが行われていて、一時は生息数が激減したが、保護政策などによって生息数は回復してきている。 未だ、一部の地域では僅かに生息数が減少しているが、現在のところ絶滅の恐れはないとされている。 また、近年、アクシスジカはオーストラリアやアメリカ合衆国の一部のほか、チリやアルゼンチン、ブラジルなどにも外来種として移入定着している。 しかし、ハワイなどに移入されたものは、自然下での捕食者がいない為、生息数が増加し、農作物に被害を与えている。 このほか、アクシスジカには ・Axis axis axis (インド亜大陸に分布) ・A. a. ceylonensis (スリランカに分布) の2亜種とする意見もあるが、同種とも考えられている。 シカ科の動物へ / このページの先頭へ |
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アクシスジカ