ノドジロオマキザルは中央アメリカのホンジュラスやニカラグア、コスタリカ、パナマなどの他、コロンビアやエクアドルの海岸に沿って分布している。 アルゼンチンにも幾つかの群れが生息していると言われていて、新世界ザルの中ではかなり広い分布域をもっている。 雌よりも雄の方が体が大きいが、雌雄共に全体にほっそりとした体つきをしている。 顔のまわりや喉、前肢の上部などは白色や淡いクリーム色のような色合いで、他は黒色や黄色を帯びた暗褐色のような色をしていて、頭部も黒っぽい。 尾は体長よりも長く、木の枝などに巻きつけることができる。 また、尾をクルクルと巻いていることから、「リングテール」とも呼ばれている。 熱帯の常緑樹や乾燥した落葉樹林などに生息しているが、二次林や湿地帯など、ノドジロオマキザルはさまざまな環境に適応している。 標高1000m辺りのところに多いが、2000m程のところでも見られ、複数の雌雄と子どもたちからなる15~20頭程の群れで生活している。 ジェフロイクモザルなどの群れと一緒にいることもあり、群れはリーダーとなる雄が率いているが、社会的な構造をもっていて、雌雄共に階層が見られる。 日中は活発に活動し、1日に2km程の距離を移動しながら採食を行っている。 樹上にいることが多いが、ほかのオマキザルよりは地上に降りてくることが多いと言われている。 主に果実や種子、花などのほか、昆虫類を食べるが、トカゲやカエル、ネズミやリス、鳥やカニ、貝など、地域や季節によって様々なものを食べる。 決まった縄張りをもつことはないが、他の群れが近づいたときなどは警戒の鳴き声をあげ、群れ同士が争うこともある。 また、分布域が広いこともあって、映画やテレビの中などでも時々見られるが、ノドジロオマキザルは好奇心も強く、ヘビなどを木の棒で叩いて追い払うことも観察されていて、知能も高いことが知られている。 一年を通して繁殖するが、多くは1~4月頃に見られる。 一夫多妻とも言われているが、決まった繁殖形態は見られず、妊娠期間157~167日程で、1産1子、稀に2子を出産する。 出産の多くは12~4月にかけて見られ、子どもは生後6週間ほどの間は、母親の背中に乗って移動する。 育児は雌によって行われ、6~12ヵ月程で離乳する。 雌は4年程で性成熟するが、出産は7年目頃から見られる。 また、雌は出生した群れに留まるが、雄は性成熟する7~10年頃までには群れを離れていく。 飼育下での寿命は55年のものが知られているが、ふつうは40~45年程度、野生ではこれよりも短く、15~20年程度、長くても30年と考えられている。 外敵にはジャガーやオセロットなどがあげられるが、樹上にいることが多いため、大型のヘビやワシなどの猛禽類に襲われることの方が多い。 地域によっては食料として狩猟の対象になっていたり、森林開発などによって生息地が減少しているが、ノドジロオマキザルは生息地が分断されたりしても環境によく適応し、現在のところ、特に絶滅の危惧はないとされている。 尚、ノドジロオマキザルは幾つかの亜種に別けられることがあるが、詳しい事は決まっていない。 オマキザル科の動物へ / このページの先頭へ |
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ノドジロオマキザル