動物図鑑・シロガオサキ

シロガオサキ

シロガオサキ さんのプロフィール


動物図鑑・シロガオサキ
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和 名 シロガオサキ
分 類 霊長目・サキ科
学 名 Pithecia pithecia
英 名 White-faced Saki / Guianan saki
分布域 アマゾン川北部の流域
生息環境 熱帯林や湿地林
体 長 33~40cm 程度
尾 長 35~45cm 程度
体 重 1.8~2.4kg 程度
シロガオサキはアマゾン川北部の流域に分布している霊長類で、主に樹上生活をしている。
霊長類では珍しく、雌雄で毛色が異なっていて、雄は全身が黒くて、顔の部分は白色やオレンジ色を帯びた色をしている。

●分布域・生息環境
●大きさ・形態
●生態・生活
●繁殖・寿命
●保護状況・その他


シロガオサキの分布域・生息環境
シロガオサキはブラジルやフランス領ギアナ、ガイアナ、スリナム、ベネズエラなど、アマゾン川北部の流域に分布している。
低地から山地の森林地帯に生息していて、果樹や水場が豊富な場所なら、熱帯雨林から湿地林、乾燥した森林まで、さまざまな森林地帯に生息している。


シロガオサキの大きさ・形態
シロガオサキは体長33~40cm程で、尾は体長よりもやや長い。
体は雄の方が少し大きいが、雌雄共に全身はかなり密生した長い毛で覆われているのが特徴になっている。

尾もかなり長くて毛が密生しているが、頭部の毛も長くて、耳も覆い隠しているほどである。

霊長類では珍しく、シロガオサキは雌雄で毛色が異なっているのも特徴で、雄の毛色は全身が黒くて、顔の部分は白色やクリーム色、オレンジ色を帯びていて、鼻だけが黒く裸出していて印象的な顔つきをしている。

これに対して、雌は全身が淡褐色を帯びたような灰色や濃い灰色のような色合いで、霜降りのようにも見える。

また、雌の顔の毛は体よりもずっと短いが、鼻と口の周りだけが白色やアグーチ色のような薄い茶色をしているほか、胸や腹部などもアグーチ色のようにも見えものもいる。


シロガオサキの生態・生活
シロガオサキは果樹の多い森林地帯に生息していて、2~12頭ほどの群れで暮らしている。
多くは雌雄のペアか、数頭程度までの家族単位で生活していて、主に樹上で生活している。

採餌などのほかはあまり地上に降りてくることはなく、樹上では四肢を使って移動するが、時に二足で移動するようなこともある。

また、全身が長い毛で覆われているため重そうな感じがするが、シロガオサキはピョンピョンと跳ねるようにして樹木の間を身軽に移動する。

跳躍力にはすぐれていて、時には樹間の間を10メートル程も跳んで移動することもある。
長い尾も物に巻き付けたりすることはできないが、樹上でのバランスをとるのによく役立っている。

シロガオサキは日中に活動し、早朝から午前中にかけて、主に種子や果実などを食べるが、丈夫な犬歯で、硬い種子や木の実なども食べてしまう。

また、採餌は地上や樹木の低いところでも行われるが、果実などが少ない時期には昆虫やアリ、時に小動物なども食べる。

採餌は、およそ1~2km程を移動しながら行われるが、行動範囲は、食糧事情などによって1~15平方kmと幅がある。

行動範囲は縄張りにも結び付いているが、行動範囲には尿や胸腺、喉腺などで匂いを付け、雄は胸を木にこすりつけてマーキングし、縄張りを主張する。

また、シロガオサキのペアや群れの間の仲はよく、休んでいる時は互いによく毛づくろいをして、結びつきを強めている。
特に、雌とその子どもの間でよく見られ、その様子は動物園でも観察することができる。

夜間は地上から15~25m程の樹上で休むが、外敵から身を守るため、樹冠内の多くの葉が茂っているところを選ぶ習性がある。

外敵はジャガーオセロット、グリーンアナコンダなどだが、樹上生活をしているので、ワシなどの猛禽類に襲われることの方が多い。

外敵が近づくと鋭い警戒音を発するが、猛禽類に対しては警戒音を発する回数が多くなることが観察されている。

警戒音は群れによってしばらく発せられるが、その後は静かになり、樹冠部などの木の葉の多いところに身を隠し、猛禽類に見つからないように身を潜めてやり過ごすと言われている。
一方、あまり大きくないヘビ類に対しては、群れをなして追い払うこともある。


シロガオサキの繁殖・寿命
シロガオサキは年に一回繁殖するが、決まった繁殖期は見られないと言われている。
主に8~9月頃に繁殖すると考えられているが、3~4月頃にも繁殖が見られ、季節繁殖ではないと考えられている。

また、飼育下での繁殖は一夫一婦であるとされているが、野生下では、しばしば一夫多妻で繁殖するとも言われている。

雌の妊娠期間は21~22週ほどで、ふつう1産1子を出産する。
育児は雌によって行われるが、前年に生まれた子どもが育児を手伝うこともある。

雄は育児には直接かかわらないが、雌や子どもの近くにいて、外敵などに注意を払っていると言われている。

子どもは生後ひと月を過ぎる頃までは母親に抱かれたりして過ごしているが、その後は背中に乗って移動するようになる。

雌雄共に3年程で性成熟し、野生下での寿命は15年程度と考えられているが、飼育下では36年も生きることが知られている。


シロガオサキの保護状況・その他
シロガオサキは比較的広い地域と多くの保護地域に生息していて、現在のところ絶滅の恐れはないとされている。

尚、シロガオサキは、以前はオマキザル科に分類されていたが、現在では独立したサキ科として扱われている。

また、以前は亜種とされていた P. p. chrysocephala も、現在は完全な独立種・Pithecia chrysocephala(Golden-faced saki)として認められている。
これにより、今のところシロガオサキに亜種はいないとされている。

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