シロガオサキはブラジルやフランス領ギアナ、ガイアナ、スリナム、ベネズエラなど、アマゾン川北部の流域に分布しているサキ科の霊長類で、熱帯林や湿地林などに生息している。 体は雄の方が大きいが、雌雄共に全身はかなり密生した長い毛で覆われていて、尾もかなり長くて毛が密生している。 頭部の毛も長くて、耳も覆い隠しているほどである。 毛色は雌雄で異なるが、雄の毛色は全身が黒くて顔の部分は白色やオレンジ色を帯びていて、鼻だけが黒く裸出していて印象的である。 これに対して、雌は全身が茶色を帯びた灰色や濃い灰色のような色合いで、霜降りのようにも見える。 また、雌の顔の毛は体よりもずっと短いが、鼻と口の周りだけが白色やアグーチ色のような薄い茶色をしているほか、胸や腹部などもアグーチ色のようにも見える。 シロガオサキは主に樹上で生活していて、採餌などのほかはあまり地上に降りてこない。 樹上では四肢を使って移動するが、時に二足で移動するようなこともある。 このとき、長い尾はバランスを取るのに役立っているが、木の枝に尾を巻きつけたりすることはできない。 また、全身が長い毛で覆われているため重そうな感じがするが、シロガオサキはピョンピョンと跳ねるようにして樹の間を身軽に移動する。 跳躍力にもすぐれていて、時には樹間の間を10メートル程も跳んで移動することもある。 日中に活動し、2~12頭ほどの群れで暮らしているが、多くは雌雄のペアか、数頭程度までの家族単位で生活している。 ペアや群れの間の仲はよく、互いによく毛づくろいをして、結びつきを強めている。 早朝から午前中にかけて、およそ1~2km程を移動しながら、主に果実などを食べるが、丈夫な犬歯で、硬い種子や木の実なども食べる。 また、採餌は地上や樹木の低いところで行われるが、昆虫やアリ、時に小動物なども食べる。 夜間は地上から15~25m程の樹上で休むが、外敵から身を守るため、多くの葉が茂っているところを選ぶ習性がある。 飼育下での妊娠期間は21~22週ほどで、雌はふつう1産1子を出産する。 雌雄共に3年程で性成熟し、野生下での寿命は15年程度だが、飼育下では36年も生きることが知られている。 外敵はジャガーやオセロット、グリーンアナコンダなどだが、樹上生活をしているので、ワシなどの猛禽類に襲われることも多い。 しかし、シロガオサキは比較的広い分布と多くの保護地域に生息していて、現在のところ絶滅の恐れはないとされている。 尚、シロガオサキは、以前はオマキザル科に分類されていたが、現在では独立したサキ科として扱われている。 また、以前は亜種とされていた P. p. chrysocephala も、現在は完全な独立種・Pithecia chrysocephala(Golden-faced saki)として認められている。 これにより、今のところシロガオサキに亜種はいないとされている。 サキ科の動物へ / このページの先頭へ |
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シロガオサキ