ギニアヒヒはアフリカ西部に分布しているオナガザル科のサルで、ヒヒ類の中では体が小さい。 雌雄ともに黄褐色や赤褐色のような毛色をしていて、顔は黒っぽい色をしている。
分布域・生息環境 ギニアヒヒは、アフリカ西部のギニアやギニアビサウ、ガンビアやセネガルなどに分布していて、モーリタニア南部、マリ西部などにも一部が分布している。 分布域は広くはないが、半砂漠地帯からマングローブ林まで、様々な環境に生息している。 大きさ・形態 ギニアヒヒは、体長40~80cm程度、体重は13~26kgほどで、ヒヒ類の中では体が小さい。 雌雄いずれも褐色や黄褐色、赤褐色のような毛色をしているが、顔は黒っぽく、濃い紫色を帯びた黒色のような色をしている。 体は雄の方が大きく、体長は50~80cm程度、雌は45~70cm程度で、雄はアヌビスヒヒやマントヒヒと同様、頭部と肩の周りがタテガミ状になっている。 この長い毛はマントヒヒ程ではないが、はっきりとした性差になっている。 また、雄の犬歯は雌よりも長く、長いものは5cm程になるものも見られる。 生態・生活 ギニアヒヒはサバンナや草原、森林地帯などに生息しているが、半砂漠地帯やマングローブ林などでも見られ、様々な環境に適応している。 しかし、河川や湖沼など、水源から遠く離れたところでは見られない。 日中に活動し、群れをつくって生活しているが、もっとも小さな群れは、1頭の雄と複数の雌、その子どもたちからなる8~10頭ほどの家族群で、この家族群が集まって30~40頭ほどの群れをつくっている。 また、時に200頭ほどの大きな群れをつくることもあり、夜間は大きな群れで休んでいる。 もっぱら地上で生活し、主に果実を食べるが、種子や球根、若葉や花なども食べるほか、昆虫類や無脊椎動物、鳥やその卵なども食べる。 時にノウサギなどの小動物やカニなどの甲殻類などもとらえ、ギニアヒヒは季節によってさまざまなものを食べていて、耕作地に入り込んでトウモロコシや穀類なども食べるため、農業へ被害を与えることもある。 また、塩分を補給するため、時々洞窟などに入り込んで、壁を舐めることが知られているほか、採餌するときは単独で行動しているが、雌はしばしば雄とのペアで採餌している。 多くの時間が採餌に費やされているが、ギニアヒヒはさまざまな鳴き声を上げ、ヒョウやライオン、ハイエナなどの外敵が近づくと、大きな声を上げて仲間に警告する。 夜間は群れになって高い樹上で休むが、雄は幹に近い枝の部分で休み、雌や子どもは幹から離れた枝の先付近で休むとされている。 繁殖・寿命 野生下での詳しい繁殖の様子は分かっていないが、一年を通して繁殖が見られるとされている。 交配は一夫多妻で行われるとも言われていて、雌の妊娠期間は半年ほどで、ふつうは1産1子を出産する。 授乳期間は6~8か月ほどで、雄は5~6年、雌は4~5年ほどで性成熟する。 この頃には、雄は群れから離れ、新しい群れに入って行くが、群れが見つからないような場合は、若い雄だけの群れをつくる。 一方、雌は出生した群れに残るものもいるが、別の群れに移って行くものもいる。 野生下での寿命は分かっていないが、飼育下での寿命は45年のものが知られているので、野生下でも20~30年ほどの寿命があるのではないかと考えられている。 保護状況・その他 ギニアヒヒは、近年の開発などによる生息地の減少や、農作物を荒らす害獣として駆除されることもあり、生息数が減少している。 現在、国際自然保護連合(IUCN)ではギニアヒヒを準絶滅危惧種(NT)として指定しているが、分布域が狭いこともあり、更なる生息数の減少が心配されている。 |
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