アムールヤマネコは、アフガニスタン東部からインド、中国を経て、朝鮮半島やロシア極東部、また、インドシナ半島やフィリピン、インドネシアなど、東アジアや南アジアなどに広く分布しているベンガルヤマネコの亜種で、アムールヤマネコはシベリア東部から中国北東部、朝鮮半島などに分布している。 国内の長崎県・対馬に生息しているツシマヤマネコも、以前は別の独立種であるとされていたが、現在はアムールヤマネコの地域個体群とされている。 体の大きさはイエネコほどで、一見してもイエネコのような感じがする。 毛色は、背が黄褐色や灰褐色で、腹部は白っぽい色をしている。 体にはサーバルキャットなどに見られるような暗色の斑点があり、この斑点は必ず縦に並んでいる。 また、胸や前足の内側にも斑点のような黒い横縞があり、尾の斑点は先に行くほどリング状になっている。 耳は丸みを帯びていて、ベンガルヤマネコの耳の裏側には、トラなどに見られる白斑があるが、アムールヤマネコにもこの白斑がある。 アムールヤマネコの生態や習性などは、ベンガルヤマネコ全般と同様、低地から山地の森林地帯に生息しているが、農村などの人里近くにも姿を見せる。 主として夜行性の動物で、しばしば昼間も活動するが、日中の間は木の洞や岩穴などに潜んでいることが多く、主に夜間に活動する。 普段は単独で生活をしていて、主にげっ歯類などの小動物を食べるが、カエルなどの両生類や昆虫、ヘビやトカゲなどの爬虫類のほか、時に家禽なども襲うことがある。 また、魚やカニなどの甲殻類、小鳥やウサギ、コウモリなども捕らえ、環境によって様々なものを食べる。 水がある近くを好むと言われているが、泳ぐことは滅多にしない。 しかし、木登りは大変うまい。 一夫多妻で、繁殖期は1~3月頃に見られる。 雌の妊娠期間は平均65~72日程で、1産1~4子、ふつうは2~3子を出産する。 生まれたばかりの子どもの体重は75~130g程で、生後1週間から10日程で目が開く。 子どもは6~7ヶ月、遅いもので10ヵ月程は親と一緒に生活しているが、その後は独立していき、雌雄共に1年半ほどで完全に性成熟する。 野生での寿命はよく分かっていないが、4~5年程度とも言われている。 外敵は大型のネコ科の動物のほか、タカなど大型の猛禽類などが挙げられるが、地域によっては毛皮や肉を目的とした狩猟も行われている。 現在のところは絶滅の恐れはないとされているが、開発による生息地の現象などが心配されている。 このほか、西表島に生息するイリオモテヤマネコはよく知られているが、以前は独立種 (Felis iriomotensis) として扱われていたが、現在ではツシマヤマネコと同様、ベンガルヤマネコの亜種 (P. b. iriomotensis) として扱われるようになっている。 また、イリオモテヤマネコ、ツシマヤマネコ共に国の天然記念物に指定されているほか、環境省では絶滅危惧種に指定している。 尚、ベンガルヤマネコはイエネコとの交雑が認められている。 *写真右下3枚は、ツシマヤマネコ。 ネコ科の動物へ / このページの先頭へ |
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アムールヤマネコ