ベンガルヤマネコは東アジアや南アジアなどに広く分布している小型のヤマネコで、ロシア極東部から朝鮮半島、中国を経て、インドやパキスタン、アフガニスタン東部などのほか、インドシナ半島やフィリピン、インドネシアなどの東南アジアや国内の一部にも分布している。 ベンガルヤマネコは一見した感じイエネコのような感じがするが、足はやや長く、尾は体長の半分ほどの長さがある。 体の大きさも平均すると大きなイエネコくらいの大きさだが、スナネコよりは大きい。 また、分布域が広いため多くの亜種が知られていて、亜種によっては体長が80cmを超え、体重も7kg近くのものも見られる。 ネコ科の中でも美しい動物で、毛色は背が黄褐色や銀白色などで変化があるが、短毛で腹部は白っぽい。 体にはサーバルキャットなどに見られるような黒や褐色の斑点があり、この斑点は必ず縦に並んでいる。 首には4本程度の黒帯があり、頬にも2本の黒帯が見られる。 胸や前足の内側にも斑点のような黒い横縞があり、尾の斑点は先に行くほどリング状になっている。 また、耳は丸くて、後ろ側は黒くて白い斑点がある。 低地から山地の熱帯林や温帯林、針葉林などの森林地帯に生息し、木登りは大変うまい。 乾燥した地域を避け、水のある近くを好むが、泳ぐことは滅多にない。 また、環境への適応力もあり、農村などの人里近くにも生息しているほか、3000m程の高地にも姿を見せるが、10cm以上の積雪があるような地域には生息していない。 行動範囲は食糧事情などによって大きく変わり、詳しくは分かっていないが、2k㎡~10k㎡程の間と考えられている。 平均すると2.5k㎡~5.5k㎡程度と言われていて、この中には森林のほか川などの水がある場所が含まれている。 また、ベンガルヤマネコは縄張りには尿などで臭い付けをするが、雄の方が広い行動範囲をもっていて、雄の行動範囲の中にはひとつ以上の雌の行動範囲が含まれている。 主として夜行性の動物で、昼間は木の洞や岩穴などに潜んでいることが多い。 しばしば昼間も活動するが、普通は夕暮れから明け方まで活動する。 繁殖期以外は単独で生活をしていて、主にげっ歯類などの小動物を食べるが、カエルなどの両生類や昆虫、ヘビやトカゲなどの爬虫類のほか、時に家禽なども襲う。 また、コウモリや魚、小鳥やウサギなども捕らえ、生息地の環境によって様々なものを食べる。 外敵は大型のネコ科の動物ほか、タカなどの大型の猛禽類、また、毛皮や肉を目的として人に狩られることもある。 一夫多妻で、東南アジアなどに分布しているものは、1年を通して繁殖が見られる。 また、北方のものは1~3月頃に繁殖し、5月頃に出産が見られるなど、分布域が広いため、繁殖の時期などは生息環境に変化する。 妊娠期間は平均65~72日程で、1産1~4子、ふつうは2~3子を出産する。 生まれたばかりの子どもの体重は75~130g程で、生後1週間から10日程で目が開く。 ひと月ほどの間は巣穴の中で育てられるが、生後3週目を過ぎる頃には固形物を食べるようになる。 子どもは7~10ヵ月程は親と一緒に生活しているが、その後は独立していき、雌雄共に1年半ほどで完全に性成熟する。 野生での寿命はよく分かっていないが、4年程度とも言われている。 また、飼育下では13年の固体が知られているが、20年の寿命をもつとも言われている。 尚、現在ベンガルヤマネコは、次の亜種が確認されている。
西表島に生息するイリオモテヤマネコはよく知られているが、以前は独立種 (Felis iriomotensis) として扱われていたが、最近の遺伝子研究により、ベンガルヤマネコの亜種 (P. b. iriomotensis) として扱われるようになっている。 また、対馬のみに生息しているツシマヤマネコも当初は別の独立種であるとされていたが、現在はベンガルヤマネコの亜種 (アムールヤマネコ・F. b. euptilura) とされている。 この他、イリオモテヤマネコ、ツシマヤマネコ共に国の天然記念物に指定されているほか、ベンガルヤマネコはイエネコとの交雑が認められ、子どもの時から飼うとよく慣れるとも言われている。 *写真右下の3枚はツシマヤマネコ ネコ科の動物へ / このページの先頭へ |
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ベンガルヤマネコ