ライオンの種類・亜種

ライオンの種類・亜種


動物図鑑・ライオン

ライオン

食肉目 ネコ科
学 名 Panthera leo
英 名 Lion
分布域 サハラ南部から南アフリカ、インドの一部など
生息環境 主にサバンナや茂みのある岩地
体 長 雄で170~250cm 、雌では160~180cm 前後
尾 長 雄で70~105cm 、雌で60~100cm
体 重 雄で150~250kg 、雌で120~180kg 程度
IUCNによる保存状況評価 / 絶滅危惧種 (VU)

ライオンは、トラゾウなどと一緒に動物園でも必ずと言っていいほど飼育されている動物だが、種類や亜種などについては意外と分かっていない現状にある。
ライオンの仲間は、ふつうアフリカ大陸に分布しているアフリカライオンと、アジアに分布しているアジアライオン(インドライオン)に大きく別けられているが、特にアフリカに分布しているライオンついては詳しく分かっていない。

アフリカライオンは、これまでは一種と言われていたり、体の大きさなどによって幾つかの亜種に別けられたりもしていた。
しかし、最近の遺伝的な研究によると、アフリカ西部と中央部に分布しているライオンは、南部や東部のもとは異なっていて、南部のものはアジアに分布しているものにより関係が深いとされている。

現在でもアフリカライオンは一種とされるようなこともあるが、かつては砂漠地帯を除くアフリカ全土やギリシャなどにも分布していたことと考えると、おそらく幾つかの種類や亜種に別けられるのではないかと思われ、最近の研究では、インドライオンを含め7亜種が有効と考えられている。


インドライオン (P.l. persica / Indian lion・Asiatic lion・South Asian lion)
アジアライオンなどとも呼ばれ、現在はインドの保護区に一部のものが生息しているだけだが、かつてはトルコから南西アジアにかけて広く分布していたと考えられている。
森林地帯に生息しているが、遺伝的には南アフリカに分布するものに近いと考えられている。

バーバリーライオン (P.l. leo / Barbary lion・ Atlas lion )
アトラスライオンとも呼ばれていて、かつてはアトラス山脈周辺を中心して、モロッコからエジプトにかけて分布していたが、現在では野生種は絶滅している。
ライオンの中ではもっとも体が大きく、雄の体長は2.4~2.8m、雌で2.5m程度で、尾を加えると3~3.3m程に成長する。
また、各地の動物園などで飼育されているものは、バーバリーライオンである可能性が高いとされている。

セネガルライオン (P.l. senegalensis / West African lion)
セネガルから中央アフリカなどの西アフリカに分布していて、ニシアフリカライオンとも呼ばれている。
南アフリカに分布しているライオンよりは体が小さく、雄のタテガミもあまり発達しないと言われている。
また、群れの大きさも小さいとされていて、個体数も少ない。

コンゴライオン (P.l. azandica / Northeast Congo Lion)
北東コンゴライオンとも呼ばれ、コンゴの北東部の草原地帯に生息している。

アンゴラライオン (P.l. bleyenberghi / Southwest African lion・ Katanga lion)
カタンガライオンとも呼ばれていて、ナミビアやボツワナ、アンゴラ、コンゴ民主共和国(カタンガ)、ザンビア、ジンバブエなどに分布している。
雄の全長は2.5~3.1m、雌は2.3~2.7m程度、体重は雄で140~240kg、雌で110~170kg程度で、雄のタテガミは、他の亜種よりも薄い色をしていることが多い。

トランスバールライオン (P.l. krugeri / Transvaal lion)
南アフリカのトランスバール地方に分布しているライオンで、雄のタテガミはよく発達している。
雄の全長は2.6~3.2m、雌で2.4~2.8m程度で、体重は雄が150~250kg、雌では110~180kg程度。
稀に全身が白いホワイトライオンが生まれることがある。

マサイライオン (P.l. nubica / East African lion・Masai lion)
ヒガシアフリカライオンとも呼ばれていて、エチオピアやケニア、タンザニアやモザンビークなどに分布していて、現地ではツァボライオンとして知られている。
全長は雄で2.5~3m、雌は2.3~2.6m程度、体重は雄で150~200kg、雌は100~170kg程度で、雄のタテガミがほとんど発達していないものも見られる。


この他、ケープライオン (P.l melanochaita / Cape lion)なども知られているが、1860年頃には絶滅してしまっている亜種で、南アフリカ共和国などに分布していたとされているが、詳しい範囲は分かっていない。
バーバリーライオンに次ぐ大きさがあったと言われているが、遺伝的にはトランスバールライオンと変わらないとも言われている。

また、今後の調査・研究によっては新しい亜種が認められるようなことも考えられるが、一方では亜種間の交雑なども懸念されている。

バーバリーライオンは既に野生種が絶滅してしまっているが、バーバリーライオンは古くからヨーロッパなどに持ち込まれていたため、動物園などで飼育されているものの多くはバーバリーライオンである可能性が高いと言われている。
しかし、詳細な分類がなされる前に繁殖していることも多く、その場合、他亜種との交雑が起こっていることも指摘されている。


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