カオジロガン

カオジロガン さんのプロフィール


カオジロガン

カオジロガン

カモ目・カモ科
学 名 Branta leucopsis
英 名 Barnacle Goose
分布域 北極圏
生息環境 草地や湿地、牧草地など
全 長 55~70cm 程度
翼開長 130~145cm 程度
体 重 1.3~2.3kg 程度

カオジロガンは、名前のように顔の部分が白く、頭部は白と黒にはっきりと分かれている。
夏には北極圏で繁殖し、冬にはヨーロッパ北部に南下して越冬する。
●分布域・生息環境
●大きさ・形態
●生態・生活
●繁殖・寿命
●保護状況・その他


カオジロガンの分布域・生息環境
カオジロガンは季節移動する渡り鳥で、夏には北ヨーロッパやロシアの北極圏で繁殖し、冬にはイギリス諸島やオランダ沿岸部に移動して越冬する。

越冬地では沿岸近くの草地や湿地などに生息しているが、牧草地や耕作地周辺にも生息している。


カオジロガンの大きさ・形態
カオジロガンは全長55~70cm、翼を広げると130~145cm程の長さがあり、カリガネと同じほどかやや大きい。

雄はふつう雌よりも体が大きいが、雌雄同色の鳥で、名前のように顔の部分は白い色をしている。
この白い部分はカナダガンよりも広く、頭頂と目から嘴の基部以外は白くなっている。
また、嘴も黒いがカナダガンよりも短い。

首から胸にかけては黒く、腹側は白っぽい色をしている。
背側は青みのある暗灰色で、翼は明灰色や銀灰色のような色に黒い筋があるように見える。


カオジロガンの生態・生活
カオジロガンは、冬にはイギリス諸島とオランダ沿岸で越冬するため、その地域では冬鳥として見られる。

越冬地では沿岸付近の草地や湿地、牧草地や耕作地などに生息していて、群れをつくって生活している。
ペアの関係が強く、群れの中でも、雄はペアとなる雌の近くにいることが多いと言われている。

草食性で、主に草類や水生植物を食べるが、耕作地で農作物を食べたりもする。
その為、しばしば農家とのトラブルが発生している。

外敵はホッキョクグマホッキョクギツネ、猛禽類などで、主に卵やヒナが襲われる。


カオジロガンの繁殖・寿命
カオジロガンの繁殖期は5~6月の春季で、ふつうは群れで行われる。
繁殖は一夫一婦で行われ、ペアの関係は生涯を通して続く言われている。

巣は外敵を避けるため、丘陵の岩場や崖の上などにつくられることが多く、雌は4~5個の卵を産卵し、抱卵は雌によって行われる。

雄は卵や雌などを守るため、辺りを警戒するが、この時期の雄は縄張り意識が強く、巣の周囲を激しく守ると言われている。
一方、抱卵中は巣から遠く離れることができないため、雌雄ともに体重は大きく減少する。

卵は25日前後で孵化し、ヒナは生後ひと月半ほどで巣立ちする。
しかし、ヒナは自ら採餌しなければならないことから、孵化後しばらくして羽毛が乾くとすぐに巣を離れるようになる。

親鳥は植物の豊富な湿地に連れて行くが、その前に、ヒナは高い崖の上から飛び降りなければならない。
この時に死んでしまうヒナも多く、外敵などの脅威もあって、生後1か月を生き延びるものは半分ほどと言われている。

また、自立した後も、幼鳥は次の繁殖期までは親と一緒に生活していて、雌雄ともに2年ほどで性成熟する。

カオジロガンの寿命は長く、野生下では20年ほどの寿命をもっていて、長いものは25年ほども生きると言われている。
飼育下での寿命も20~25年ほどと長く、環境や餌の事情がよければ30年程の寿命があると言われている。


カオジロガンの保護状況・その他

カオジロガンは広く分布していて、現在のところ絶滅の恐れはないとされている。
越冬地でも保護されていて、個体数も増加傾向にあると考えられている。

しかし、カオジロガンは保護区域以外の耕作地や牧草地などにも現れるため、農作物などに被害を与えたりする問題も起こっている。

カオジロガン 1カオジロガン 2
●カモ科の鳥へ
●このページの先頭へ






Private Zoo Gardenは、国内の動物園で会える動物たちを紹介している、インターネット動物園です。
 今後とも園内の充実を図っていく予定ですので、動物図鑑や写真集などとして、是非利用してください。
 このページの先頭へ