ミナミコアリクイはオオアリクイ科に属する中型のアリクイで、コロンビアからベネズエラ、ブラジル、パラグアイなどの他、ボリビアやペルー北部など、南アメリカのアンデス山脈より東に広く分布している。 毛は短く、体色は淡褐色や黄褐色、茶色などで、四肢を除き、肩から尾の付け根にかけては黒色で、ベストでも着ているような特徴的な模様をしている。 体つきも特徴的で、他のアリクイと同様、口先は円筒形で長く、尾も体長と同じくらい長い。 この尾は太くて丈夫で、尾の先と下面には毛がなく、オオアリクイと違って、木の枝などに巻きつけることが出来る。 前肢の第3指には大きな鉤爪があり、木に登ったり、外敵に対しての武器となる。 また、視覚と聴覚は鈍いが、嗅覚は優れている。 雌雄の体の大きさにはほとんど違いがないが、ミナミコアリクイは生息地などによって体の大きさにはかなり差異があり、4亜種程が知られている。 熱帯雨林を含む森林のほか、サバンナなどにも生息しているが、標高2,000m近くの高地にも姿を見せる。 また、オオアリクイが地上性であるのに対して、ミナミコアリクイは樹上性で、長くて丈夫な尾をうまく使って、樹の間を巧みに移動することが出来る。 しかし、地上での動きは緩慢な感じで、オオアリクイのように駆足するようなことは出来ない。 歩くときは、大きな爪が手のひらに当たらないよう、前肢の外側を使うようにして移動する。 普段は単独で生活し、主に夜間に活動するが、ミナミコアリクイはしばしば昼間も活動する。 行動範囲は生息環境などによって変化するが、0.1~0.4k㎡程度と考えられている。 巣は樹洞などを利用するが、時にはアルマジロの巣穴などを利用することもある。 オオアリクイと同様、主にアリやシロアリ、ハチなどを、40cm程もある細長い舌でからめ取るようにして食べるが、果実なども少しながら食べる。 また、口に歯はなく、鉛筆の太さほどしか口は開かない。 大きな爪はアリ塚などを壊すのに有効であるが、強力な武器としても使われる。 ジャガーやピューマなどの外敵に出会ったときなどは、後肢と尾で体を支えて、前肢を広げて立ち上がって身構える。 この時、岩や樹木があれば、これを背にして背後を守るようにするが、樹上などでは、後肢と尾を枝などに巻きつけて体を支え、前肢で威嚇する。 繁殖期は秋で、妊娠期間130~160日程で、春にふつう1産1子を出産する。 子どもはしばらくの間は親の背中に乗って育てられ、およそ1年程で成熟する。 飼育下での寿命は8~12年程度と言われている。 また、コアリクイの仲間には、ミナミコアリクイの他、メキシコ南部からコロンビア北部に分布しているキタコアリクイ(Tamandua mexicana)が知られているが、頭蓋骨の違いの他、耳が大きい オオアリクイ科の動物へ / このページの先頭へ |
Private Zoo Gardenは、国内の動物園で会える動物たちを紹介している、インターネット動物園です。 今後とも園内の充実を図っていく予定ですので、動物図鑑や写真集などとして、是非利用してください。 |
このページの先頭へ |
ミナミコアリクイ