デグーは、アンデス地方の標高1,200~2,000m位までの山地の岩場や断崖などの近くに生息している小型のげっ歯類で、チリ中央部の西側斜面が原産地と考えられている。 一見してネズミに似た感じがするが、ヌートリアなどに近いとされている。 また、テンジクネズミ(モルモット)にも似た感じがするが、体はそれよりも小さく、毛色は灰色やアグーチ色で、尾は体と同じほど長い。 耳は暗色で大きく、尾には先になるほど多くの毛が生えていて、黄色い歯をしている。 外見だけで雌雄の区別は難しいが、雄の方が雌よりも少し体が大きい。 昼間に活動し、1~2匹の雄と2~5匹の雌が集まっていることが多いが、つがいとその子どもたちからなる家族も見られ、これらが複数集まって、群れをつくった生活をしている。 巣穴は、地面にそれほど深くないトンネルを掘ってつくるが、デグーは強い社会性をもっていて、同じ群れの雌は共同の場所で子育てをするなどの習性があるとされている。 朝夕には活発に活動し、草類のほか球根や樹皮、種子やサボテンなども食べるが、デグーは厳しい環境下で生息しているため、粗食にもよく耐える。 群れの行動範囲は200㎡程度と言われていて、尿などで臭いをつけて縄張りを主張しているが、デグーは紫外線波長を見ることができると考えられていて、尿などのマーキングを視覚的に識別する事ができるのではないかと言われている。 げっ歯類としては聴覚にすぐれ、数種類の鳴き声を使い分けて、仲間同士のコミュニケーションをとるほか、視覚もよい。 また、デグーは頭も良く、記憶力にもすぐれているので、飼育下などでは簡単な道具を使うことも覚えたりする。 外敵は大型の猛禽類などで、危険が迫ると鳴き声をあげて仲間に知らせ、素早く巣穴に逃げ込んで身を守る。 チリでの繁殖期は、秋にあたる5月下旬頃に始まり、出産は春になる9~10月頃に見られる。 一夫多妻で、繁殖期になると雄は自分の巣穴から他の雄を追い出し、巣穴にいる2~4匹の雌を独占するようになる。 妊娠期間は90~95日程で、げっ歯類の中では長いが、子どもはよく発達して産まれ、生まれたときには既に毛が生えていて、目も開いている。 1産1~12子、平均すると4~6子を出産し、育児は雄によっても行わる。 子どもは4~5週間程で離乳し、雌雄共に12~16週程度で性成熟する。 しかし、大人の大きさに成長するのは生後6ヵ月頃で、最初の繁殖期が訪れるまでは、同性の群れの中で生活している。 飼育下での寿命は5~8年程度で、性質もおとなしく、頭も良いことから、ペットとしても飼われることがあるが、脅かしたりすると、天敵の猛禽類に襲われたときのように激しく暴れる。 現在のところは絶滅の恐れはないとされているが、デグーはウシの放牧地などにも生息している為、一部の地域では草を食べる害獣として駆除されることがある。 デグー科の動物へ / このページの先頭へ |
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デグー