モモンガの仲間は、ヨーロッパから中央アジアを経て東南アジア諸国、中国、朝鮮半島、日本などに分布している他、北アメリカなどにも分布していて、多くの種が知られている。 広義での「モモンガ」はこれらリス科のモモンガ亜科に属するものの総称、或いはこの内のモモンガ属の総称だが、国内で「モモンガ」という場合は、ふつう本州、四国、九州に分布しているニホンモモンガ(Pteromys momonga)を指していることが多い。 また、北海道にはエゾモモンガ(P. volans orii)が分布しているため、ニホンモモンガをホンドモモンガ・ホンシュウモモンガなどと呼ぶこともあるが、両種を単にモモンガと呼ぶことも多い。 尚、ニホンモモンガは日本の固有種だが、エゾモモンガはタイリクモモンガ(P. volans/ヨーロッパからシベリア、モンゴル、中国、朝鮮半島などに分布)の亜種で、ニホンモモンガとは近縁だが別種である。 ニホンモモンガ(以下モモンガ)は一見するとリスに似ているが、目はかなり大きく、尾も平で大きい。 体色は茶色や灰色で、腹面は白っぽく、ムササビのように皮膜をもっている。 この皮膜は、両手首から両足のひざに達しているが、後足と尾の間、首から両手首の間にも小さな皮膜をもっている。 モモンガはこの皮膜を使ってムササビのように滑空することができるが、無風状態でも、10m程の高さなら10~15m程は滑空することができ、風にのれば40~50m程も滑空することができる。 但し、ムササビと同様、鳥のように動力飛行することはできない。 モモンガは滑空することからムササビとはよく似た感じがするが、モモンガにはムササビにある頬部の白い斑は見られず、目もずっと大きい。 また、モモンガはムササビよりもかなり小さく、モモンガの尾は毛の生え方によって扁平していて四角い形に見えるほか、皮膜部分も少ない。 モモンガは山地や亜高山の森林地帯に生息し、ほとんど樹上生活をしている。 単独や家族単位で生活しているが、完全な夜行性で、日中は樹洞などに潜んでいて、夜になると活動をはじめる。 樹上では活発に動き回り、時には樹間を滑空して移動する。 大きな尾は空中でのバランスをとるのに役立っているが、樹上では背中に背負ったようにしている。 食性はムササビとよく似ていて、木の葉や木の実、芽、樹皮などのほか、果実や昆虫などを食べる。 巣穴は樹洞を利用するが、キツツキが開けた木の穴や、鳥がつくった巣の上に樹皮などを用いてドーム状の屋根をつくって巣に利用することもある。 繁殖期は5~7月頃で、妊娠期間30日程で、1産1~5子、ふつうは2~3子を出産する。 子どもは1ヵ月半ほどで離乳し、野生での寿命は4~5年程度と考えられている。 また、モモンガは森林地帯に生息していて、夜行性でもあるため、詳しい生態などは分かっていないが、1年に2度繁殖することもあると言われている。 近年は、森林開発などによって、洞などのある古い森林地帯などが分断されたり減少し、モモンガの生息地は減少していて、生息数も減少している。 現在、自治体によっては絶滅危惧種に指定されているが、更なる保護も求められている。 このほか、オーストラリアにはフクロモモンガが分布していて、モモンガと同じように滑空することが出来るが、モモンガとは違って育児嚢をもっていて、カンガルーやコアラなどと同じ有袋目に属している。 リス科の動物へ / このページの先頭へ |
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モモンガ (ニホンモモンガ)
Japanese lesser flying squirrel