ヒメネズミは国内に分布しているノネズミの仲間で、主に山地の森林地帯に生息している。 島嶼部を含め広く分布しているが、体が小さく、夜行性でもあることから、見る機会は少ない。
ヒメネズミの分布域・生息環境 ヒメネズミは日本の固有種で、国内各地に広く分布している。 北海道から九州まで見られ、淡路島や小豆島、隠岐諸島や対馬などのほか、五島列島や天草諸島、屋久島や種子島などの島嶼部にも生息しているが、沖縄には分布していないとされている。 海岸付近の平野部から山地まで生息しているが、丘陵地から山地に多く見られ、広葉樹林や針葉樹林、二次林などの森林に生息している。 ヒメネズミの大きさ・形態 ヒメネズミは小型のネズミたがカヤネズミよりは大きく、体長は6.5~10cm、 体重は10~23g程で、尾は体長よりも長く7.5~11cm程の長さがある。 毛色は、背面が栗色で、腹側は白い色をしている。 アカネズミとはよく似ているが、体はアカネズミよりも小さい。 体の大きさは見比べてみるとよく分かるのだが、ヒメネズミの尾は体長よりも長い特徴がある。 ヒメネズミの生態・生活 ヒメネズミは丘陵地から山地にかけての森林地帯に生息していて、普段は単独で生活している。 主として夜行性で、地上で活動するが、ヒメネズミは木登りが上手く、しばしば樹上でも活動する。 長い尾は樹上でのバランスをとるのに役立っていて、体が小さいこともあり、細いツルなどの上でも巧みに動き回る。 主に植物の種子や根茎などを食べるが、昆虫類もよく食べる。 餌は前足を使ってうまく食べるが、冬には樹上よりも地上で採食することが多く、落ち葉の下にある種子や、隠れている昆虫やその幼虫などを食べる。 また、ヒメネズミは種子などを巣に蓄える習性があることが知られている。 巣は地中に穴を掘ってつくるが、樹洞なども利用し、中には落ち葉などが敷かれている。 外敵はイタチやテン、キツネなどのほか、フクロウなどの猛禽類や大型のヘビなど、外敵は多い。 ヒメネズミの繁殖・寿命 ヒメネズミの繁殖期は地域によって差があるが、年に1~2回繁殖する。 北のものは主に夏に繁殖し、南のものは春と秋の2回繁殖する傾向があるが、南のものでも年に1回のものも見られるので、生息環境や食糧事情などが関係しているのだろう。 繁殖は一夫多妻と考えられていて、雌の妊娠期間は3週間ほどで、1産1~9子、多くは4~5子を出産する。 育児のほとんどは雌によって行われ、子どもは3週間ほどの授乳期間がある。 成長は早く、早いものでは生後2~3ヵ月で性成熟する。 野生下での寿命は1~2年、長いものでも3年程度と考えられている。 ヒメネズミの保護状況・その他 ヒメネズミは夜行性であることから見る機会は少ないが、国内に広く分布していて、絶滅の恐れはないと考えられている。 しかし、生息域は必ずしも連続していないため、一度生息地が失われると、個体数の回復は難しいと言われている。 |
|
●ネズミ科の動物へ ●このページの先頭へ |
Private Zoo Gardenは、国内の動物園で会える動物たちを紹介している、インターネット動物園です。 今後とも園内の充実を図っていく予定ですので、動物図鑑や写真集などとして、是非利用してください。 |
このページの先頭へ |
ヒメネズミ