ボンゴ

ボンゴさんのプロフィール


動物図鑑・ボンゴ

ボンゴ

偶蹄目・ウシ科
学 名 Tragelaphus eurycerus
英 名 Bongo
分布域 西アフリカや中央アフリカなど
生息環境 低木林や森林地帯など
体 長 170~250cm 程度
尾 長 45~65cm 程度
体 重 雄で240~400kg、雌で150~240kg 程度
IUCNによる保存状況評価 / 準絶滅危惧種 (NT)

ボンゴは西アフリカや中央アフリカに分布している大型のレイヨウで、森林地帯に生息している。
大変美しいレイヨウで、栗色の体毛には、10~15本程度の白い帯が入っている。
●分布域・生息環境
●大きさ・形態
●生態・生活
●繁殖・寿命
●保護状況・その他


ボンゴの分布域・生息環境
ボンゴは、アフリカのギニアからシエラレオネを経てベナンにかけての西アフリカと、カメルーン東部やコンゴ共和国北部、ガボンの北部や南アフリカ共和国南東部、スーダン南西部、コンゴ民主共和国、ケニアなどに分布している。

主に低地の森林地帯に生息しているが、ケニアやコンゴでは山岳地帯の森林にも生息していて、いずれも視界が開けたところでは見られない。


ボンゴの大きさ・形態
ボンゴは大型のレイヨウ類で、レイヨウの中ではエランドに次いで体が大きいとされている。
しかし、体長は170~250cm程もあり、森林に生息するレイヨウの中ではもっとも体が大きい。

毛色は赤みを帯びた栗色で、体側には10~15本程度の白い帯がある。
また、毛は短く、胸には三日月状の白い斑が見られる。

四肢の外側は暗い色をしているが、内側は白く、背中の真ん中に沿ってタテガミのような少し長い毛がある。
目の上から鼻先にかけては色が濃いが、目の下の明るい縞が印象的でもある。
耳はかなり大きく、木の葉のような形をしている。

ボンゴには雌雄ともに角があり、コルクの栓抜き状にほぼ一回転し、その先端は黄色を帯びている。

角は平均して80cmほどはあるが、雄の角に比べると雌の角は小さくて細い。
しかし、雄の長いものでは1m程にもなり、とても見事である。

角の形や顔の印象などはシタツンガによく似ているが、シタツンガは雄だけに角があり、ボンゴのように体にはっきりとした縞も見られない。

また、ボンゴは雄の方が体が大きく、大きいものだと体長が3m、体重は400kg程になるものもいるが、体色は雌の方が鮮やかである。


ボンゴの生態・生活

ボンゴは低地から山地の森林地帯や低木林などに生息していて、草原やサバンナなど、開けた環境では見られない。

また、西アフリカに分布しているものは低地の森林地帯などに生息しているが、中央アフリカのものは低木地帯のほか、標高2000~3000mの涼しい高地の森林などにも生息しいる。

山地に生息しているものは、雨季には比較的低地で生活するが、雨の少ない季節には樹木の多い高地に移動し、標高4000m辺りでも見られると言われている。

ボンゴは森の中で5~8頭程度の少数の群れをつくって生活しているが、群れの中にはしばしば複数の雄が含まれている。
また、稀に20~50頭程が集まることがあり、縄張り意識はないと言われているほか、年をとった雄はふつうは単独で生活すると言われている。

昼夜共に活動するが、朝や夕方に活発に行動し、日中は休んでいることが多い。

主に木の葉や木の根、花や樹皮、果実などの植物質のものを食べるが、前足を木にかけて、かなり高いところの葉も食べる。
また、ボンゴはミネラル補給の為、定期的に塩舐めすることも知られている。

ボンゴはとても注意深く、ヒョウなどの外敵や危険を感じるとすばやく森の中に逃げ込むが、走るときには角を背中につけるようにして首を反らし、角が木の枝などに引っかからないようにして走る。


ボンゴの繁殖・寿命

ボンゴの繁殖の様子は詳しく分かっていないが、繁殖期は10~翌年1月頃にかけて多く見られると言われている。

雌の妊娠期間は282~ 285日、およそ9ヵ月半程で、ふつうは1産1子を出産するが、稀に2子を出産することもある。
出産は群れからやや離れたところで行われ、生まれたばかりの子どもは19~20kg程の体重がある。

子どもは1週間から10日ほどの間は群れから離れて育てられ、雌は授乳の時だけ子どものところを訪れる。
その後、子どもは群れの中に入って行くが、半年ほどは授乳期間がある。

雌雄共に2~2年半ほどで性成熟し、飼育下での寿命は18~20年と考えられている。


ボンゴの保護状況・その他

ボンゴはジャイアントパンダオカピコビトカバと共に、世界の四大珍獣に数えられることがあるが、近年では生息地の開発や森林伐採などによって、ボンゴの個体数は減少している。

現在、ボンゴは国際自然保護連合(IUCN)の保存状況評価によって、準絶滅危惧種(NT)としてレッドリストに指定され保護されているが、食料や美しい毛皮を目的とした密猟も後を絶たず、更なる生息数の減少も心配されている。

分布域が広いにもかかわらず、生息地は不連続で、ケニアの山地などに生息する亜種は特に個体数が少なく、現在はケニアのアバーディア保全地域に残っているのみと言われていて、一層の保護が求められている。

尚、ボンゴには次の亜種が認識されている。

Tragelaphus eurycerus eurycerus
広く分布する基亜種

T. e. isaaci
ケニアの山岳地帯に分布しているが、生息数が少なく、IUCNでは絶滅危惧種(CR)に指定している。

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