シロオリックス

シロオリックスさんのプロフィール


動物図鑑・シロオリックス

シロオリックス

偶蹄目・ウシ科
学 名 Oryx dammah
英 名 Scimitar-horned oryx / White oryx
分布域 アフリカ北部
生息環境 砂漠の周辺地帯など
体 長 1.5~2.3m 程度
尾 長 45~60cm 程度
体 重 雄で140~210kg 程度、雌で90~140kg 程度
IUCNによる保存状況評価 / 絶滅危惧種 (EN)

シロオリックスは、雌雄ともに長いサーベル状の角をもっていて、ユニコーン伝説のモデルとも言われている。
しかし生息数は少なく、一時は国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに野生絶滅種として記載されていたことがある。
●分布域・生息環境
●大きさ・形態
●生態・生活
●繁殖・寿命
●保護状況・その他


シロオリックスの分布域・生息環境
オリックスの仲間はアラビア半島からアフリカ大陸にかけて分布しているが、シロオリックスはアフリカ中央部の砂漠地帯周辺のステップや、植物のまばらな半砂漠地帯など、乾燥した地域に生息している。

しかし、現在の分布域は限られていて、ほとんどのものはチャドやニジェール、モロッコやセネガルなどの国立公園や保護区の中に生息している。


シロオリックスの大きさ・形態
シロオリックスは体長1.5~2.3m、平均すると1.7m程で、肩高は1mを少し超える程度だが、大きいものは肩高1.2mほどになる。

体重は雄で140~210kg、雌は90~140kg程度で、体は雄の方が大きい。
また、雌雄いずれも蹄は大きく、乾燥した砂地で生活するのに適している。

毛色は腹部は白いが、背面は白色のほか灰色・灰褐色などで、白い毛色は砂漠の強い日差しを逃すために役立っていると考えられている。

また、首から胸にかけては茶色や赤褐色などをしていて、鼻筋と目の周りにも縦長の茶色の斑が見られる。

角は雌雄共にもっているが、シロオリックスの角は後方へ向かってサーベル状に湾曲していて、アラビアオリックスなどの他のオリックスとは少し違っている。

角の長さは1mもあって長いが、中には1.2mを超えるものも見られる。
また、雌の角はやや細いが、その見事な角の印象から、シロオリックもアラビアオリックスと同様、ユニコーン(一角獣)神話のモデルになっていると考えられている。


シロオリックスの生態・生活

シロオリックスは、ふつうは2~40頭ほどの群れをつくって生活していて、群れはリーダーとなる1頭の雄に率いられている。

また、シロオリックスは食べ物を求めて季節的な移動をするが、時には群れ同士が集まって大きな群をつくることもある。
特に、食料が乏しい時には草類などがあるところに集まり、100頭を超える群れをつくることもある。

一方、アラビアオリックスなどと異なり、単独で生活している若い雄は滅多に見られないと言われている。

昼間に活動するが、日中は暑さを避けて、主に涼しい早朝や夕方に活動する。
草食性で、草や若葉・果実などの植物質を食べ、休んでいるときなどは反芻をしている。

水が豊富なときは毎日飲むが、シロオリックスは乾燥した土地に適応していて、水を飲まなくても植物から得られる水分によって、数週間以上も水を飲まなくても過ごすことができると言われている。

また、シロオリックスは体温を調整することができることも知られている。
気温の高い時には、体温を46度程にも上げることができ、他の哺乳類が生息できないような高温の地域にも耐えると考えられている。

外敵はライオンヒョウハイエナチーターなどで、若いものや弱ったものが襲われることが多い。


シロオリックスの繁殖・寿命

シロオリックスには決まった繁殖期が見られず、1年を通して繁殖すると言われている。

雌の妊娠期間は8~8ヵ月半ほどで、普通は1産1子を出産するが、稀に2子を出産する。
出産は3~10月頃に見られ、雌は群れから離れたところで出産する。

生まれたばかりの子どもの体重は9~15kg程で、既に小さな角をもっている。
しかし、毛色は黄褐色で、親に見られるような体の斑はない。

生後の数時間ほどで、雌は子どもを連れて群れに戻ると言われているが、1週間ほどの間は母子ともに群れから離れて生活するとも言われている。

子どもは生後3ヶ月が過ぎる頃から離乳をはじめ独立し、雌雄共に1年半から2年程で成熟する。
飼育下での寿命は15~20年と考えられているが、野生でも20年の寿命をもつ個体がいたと言われている。


シロオリックスの保護状況・その他

シロオリックスは、かつてはモーリタニアからマリを経て、チャドやスーダンより北のアフリカ大陸に広く分布し、時には1,000頭を超える群れをつくることもあったと言われている。

しかし、角や皮を目的とした乱獲や家畜との競合、生息地の開発やサハラ砂漠の気候変動などによって、チャドとニジェールに僅か数頭を残すだけで、野生状態のものはほとんど絶滅したと考えられていた。

その様な状況下、シロオリックスは国際自然保護連合のレッドリストに野生絶滅種(EW)として指定されていたが、飼育下で繁殖したものをかつての自然分布域に再導入しようとする試みがはじめられ、チュニジアやモロッコ、セネガルなどの国立公園や保護区に再導入された経緯がある。

現在はチャドなどにも再導入されていて、保護区から放たれた野生下でも個体数はやや増加している。
しかし、以前として個体数は少なく、IUCNでは絶滅危惧種(EN)として指定している。

また、アラビアオリックスも同じような状況にあり、やはり絶滅危惧種(VU)に指定されている。

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