サイは陸上ではゾウに次ぐ大きな体で、厚くて硬い皮膚に覆われている。 四肢の指はいずれも3本で、奇蹄目サイ科を構成し、アフリカ大陸に分布しているものと、東南アジアに分布しているものがいる。
サイの分布域・生息環境 アフリカに分布しているサイの仲間は、サハラ砂漠より南に広く分布しているが、分布域は連続しておらず、既に姿を消した地域も多い。 アジアに分布するものは、インドからインドシナ半島、マレー半島、インドネシアなどに分布しているが、アフリカのものと同様、現在の分布域は限られていて、多くの地域で絶滅している。 また、サイの仲間はいずれも森林や草原、藪地や湿地帯などに生息しているが、生息地も現在は限られてしまっている。 尚、現存するサイの仲間は、アフリカに2種、アジアに3種が知られている。
サイの大きさ・特徴 サイの大きさは種によって差があり、体長2.4~4m、体重は700~3500kgと幅がある。 しかし、いずれも体は硬い皮膚に覆われているのが特徴で、口先はやわらかく、感覚に優れている。 シロサイのほかは口先がやや尖っていて、草類などをうまく口に運ぶことができる。 体には体毛がなく、短い尾の先にわずかな毛が房状に生えているが、体の皮膚にひだがあり、鎧を着ているように見えるものもいる。 また、体色は灰色や褐色などをしているが、サイの仲間は泥浴びを好み、地面を転げまわる習性があることから、体色はしばしば土壌の色を帯びている。 角は、いずれのサイも頭部に1本か2本の太い角をもっている。 角の長さは種によって差があるが、短いもので25cm、長いものでは1.5m程の長さがある。 この角は爪と同じように角質した皮膚で出来ていて、一生のあいだ伸び続ける。 硬いもの突いたり、闘争などによって角がとれたような場合は、ウシ科の角とは違い、またあとから伸びてくる。 嗅覚は優れていて、耳も大きくてかなり自由に動かすことができ、聴覚にも優れている。 しかし、視力はあまりよくなく、時には5~6m程離れたものでも気づかないことがあると言われている。 サイの生態・生活 サイの仲間は森林や草原、藪地や湿地帯などに生息していて、山地の森林などにも見られる。 昼間も活動するが、早朝や夕方、夜間などに活動することが多く、子どもを連れた雌以外は、ふつうは単独で生活している。 草食性で、草類や木の葉、果実などを食べるが、雄は決まった場所に尿や糞をのこして縄張りを主張することが多い。 砂浴びや泥を浴びを好み、しばしば泥の中を転げまわったりしているが、これは寄生虫を取り除いたり、体温調整するのに役立っている。 また、サイは大きな体に似合わず走るのも速く、短い距離なら時速50km近くの速さで駆けることができる。 突進力は強力で、成獣のサイには、人以外には外敵はいないと言われている。 サイの繁殖・寿命 サイには決まった繁殖期は見られず、繁殖は一夫多妻で行われる。 雌は概ね15~16ヵ月程の妊娠期間の後、普通は1産1子を出産する。 子どもの授乳期間や成熟の時期などは種によってやや幅があるが、雌は3~7年、雄は5~8年ほどで性成熟し、飼育下での寿命は35~50年、野生では25~40年程度と言われている。 サイの保護状況・その他 サイの仲間は、かつてはアフリカやアジアに広く分布していたが、古くから角を目的とした乱獲が行われてきたほか、近年では森林開発などによる生息地の減少も伴い、いずれの地域でも個体数が激減している。 幾つかの亜種は既に絶滅してしまっているほか、現在残っているものも生息地が減少、分断されてしまっていて、それに伴う個体数の減少が心配されている。 現在、国際自然保護連合のレッドリストには、ミナミシロサイが準絶滅危惧種(NT)に指定されているが、ほかのものはすべて絶滅危惧種に指定されている。 地域によっては再導入の試みがなされているが、一層の保護が求められている状況になってしまっている。 |
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