サイは陸上ではゾウに次ぐ大きな体で、厚くて硬い皮膚に覆われている。 四肢の指はいずれも3本で、奇蹄目サイ科を構成し、アフリカ大陸に分布しているものと、東南アジアに分布しているものがいる。 体の大きさは種によって差があり、体長2.4~4m、体重は700~3500kgと幅がある。 体には体毛がなく、短い尾の先にわずかな毛が房状に生えているが、体の皮膚にはひだがあり、鎧を着ているように見えるものもいる。 また、体色は灰色や褐色などをしているが、サイの仲間は泥浴びを好み、地面を転げまわる習性があることから、体色はしばしば土壌の色を帯びている。 角は、いずれのサイも頭部に1本か2本の太い角をもっている。 角の長さも種によって差があるが、短いもので25cm、長いものでは1.5m程の長さがある。 この角は爪と同じように角質した皮膚で出来ていて、一生のあいだ伸び続ける。 硬いもの突いたり、闘争などによって角がとれたような場合は、ウシ科の角とは違い、またあとから伸びてくる。 体は硬い皮膚に覆われているが、口先はやわらかく、感覚に優れている。 シロサイのほかは口先が尖っていて、草類などをうまく口に運ぶことができる。 嗅覚は優れていて、耳も大きくてかなり自由に動かすことができ、聴覚にも優れている。 しかし、視力はあまりよくなく、時には5~6m程離れたものでも気づかないことがあると言われている。 森林や草原、藪地や湿地帯などに生息していて、山地の森林などにも見られる。 昼間も活動するが、早朝や夕方、夜間などに活動することが多く、ふつうは単独で生活している。 草食性で、草類や木の葉、果実などを食べるが、雄は決まった場所に尿や糞をのこして縄張りを主張することが多い。 また、大きな体に似合わず走るのも速く、短い距離なら50km/h近くの速さで駆けることができる。 突進力は強力で、成獣のサイには、人以外には外敵はいない。 決まった繁殖期は見られず、妊娠期間15~16ヵ月程で、普通は1産1子を出産する。 飼育下での寿命は35~50年、野生では25~40年程度と言われている。 尚、現存するサイの仲間は、アフリカに2種、アジアに3種が知られている。
サイの仲間は古くから角を目的とした乱獲が行われてきたが、近年では森林開発などによる生息地の減少も伴い、いずれも個体数が激減している。 既に絶滅してしまった亜種もいるほか、現在残っているものも生息地が減少している。 現在、国際自然保護連合のレッドリストには、ミナミシロサイが準絶滅危惧種(NT)に指定されているが、ほかのものはすべて絶滅危惧種に指定されている。 地域によっては再導入の試みがなされているが、一層の保護が求められている状況になってしまっている。 *写真の右列下から6枚はシロサイ、その他はクロサイ サイ科の動物へ / このページの先頭へ |
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